2017/02/15

Valentine's Day Chess Chocolate 2017


毎年バレンタインの時期には、どこも工夫を凝らしたチョコレートを販売していますが、今年は渋谷のセルリアンタワー40階のバー、ベロビストで面白いチョコレートが食べられると聞き、足を運んでみました。それがこちらのチョコで、チェス盤とチェスピース、葉巻などがモチーフになっています。見た目も楽しいこちらのチョコですが、キューブ型は中身が塩キャラメル、イチゴ、ピスタチオ、奥のバー型はオレンジピール、葉巻型は生チョコと、味のバリエーションにも工夫があって面白かったです。ちなみにバー自体も素敵な場所でしたので、次回は夜景が楽しめる夜の時間帯にお邪魔させていただこうと思います。

多くのバレンタインイベントは2/14 までであり、このベロビストのチェスチョコレートも今日で終わりです。もっと早く知っていたら、足を運んでいたのに! という人には紹介が遅くなり、申し訳ないです... 大阪のリーガロイヤルホテルが毎年出している、チェスピースのチョコレートは今年も健在で、来年以降も他にどのようなチェスチョコレートを見つけられるか、楽しみにしたいと思います。以上、いつもと少し雰囲気を変えた記事をお届けしました。

2017/02/12

Weekly Chess Puzzle Vol.34


Kojima, S - Kuwata, S
ACC Spring Training 2004 (3)
White to move


Kojima, S (FM, JPN, 2334) - Gilruth, P (KEN, 2202)
Khanty-Mansisk Olympiad 2010 (11)
White to move

今夜のパズルは2つともタクティクスです。1つ目は中学生最後の合宿での思い出深いもの。オープニングトラップとして有名な局面です。2つ目は、ロシアのオリンピアード最終戦から。このオリンピアードはなかなか苦戦しましたが、最終戦だけはしっかり指せたと思っています。答えの分かった方はいつも通り、コメント欄へどうぞ。

2017/02/11

Saturday Lecture on 25th February 2017


Matlakov, M - Eljanov, P / 2013
Black to move

【日時】 2017年2月25日(土) 13:00~15:00
【会場】 チェスセンター(最寄駅:池上駅)
【形式】 レクチャー+質疑応答
【テーマ】 Sacrifice for An Attack
【テーマ詳細】

チェスは様々な勝ち方がありますが、鮮やかなサクリファイスで勝った試合は、いつの時代も見ごたえのあるものです。2月のレクチャーでは、駒を捨ててアタックを決めた試合を取り上げ、どういった読みをするか、どのような発想の出し方が求められるかを解説しようと思います。

【参加費】 レクチャー代1200円+飲み物代200円
【参加資格】なし
【対象】 レイティング2000未満

2017/02/10

My Memorable Endgame


Kojima, S (JPN, 2081) - Kuwata, S (JPN, 1806)
Master Tournament A Class 2005
White to move

エンドゲームは見た目の印象よりも、実際に指してみると複雑なことがしばしばあります。上記のポジションは一度、Weekly Chess Puzzle で出題していましたが、解答を発表していなかったため、きちんと解説の記事を書いてみようと思います。

白はポーンアップですが、ここから勝つためにはしっかりとプランを立てなければいけません。黒のキングとビショップでの反撃をうまく抑え込みつつ、ポジションを改善するためにはどうすれば良いでしょうか。

52. Ng6+ Kf7 53. Nf4


白はまず様子見でナイトを動かします。これでeポーンを進めることができるようになりましたが、果たしてパスポーンを進めれば勝てるでしょうか。まずはこのパスポーンを進めることが、白にとってプラスになるかどうかを考えてみます。

白のeポーンは落とされることなく、e6 までは進めるでしょう。ポーンをe6、ナイトをg6 に配置し、黒キングをe8 のマスに縛れば、黒はポーンにもナイトにも手出しができません。この状態のまま、白はh4 のポーンを取って2ポーンアップになれば勝てそうですが、e1-g3 のダイアゴナルでビショップに待たれた場合、h4 を取るのはナイトからになります。そしてNg6-Nxh4 と取った際、Ke8-Ke7 と上がられると、白はeポーンを助けることができません。このように考えた場合、e6 までポーンを進め、eポーンとhポーンの距離を離すことは、あまりメリットがないように感じられます。

もう1つの考え方として、ポーンはいつでも進めることができますが、戻ることは決してできません。それならば黒からカウンタープレーがない以上、白はポーンを進めるとしても、なるべくナイトとキングの位置を良くしたうえで進めるべきです。

53... Be1 54. Nd3 Bg3 55. Ne5+ Ke7 56. Ng4!



この辺りでナイトの目指すゴールとなるマスが見えてきました。ナイトはh4 をアタックしつつ、g3 のマスを抑えるf5 がベストの位置です。さらに最近この試合を振り返って気付いたのは、ナイトのゴールがf5 だと最初から見当をつけられれば、遠回りをせずに52. Ng4! でも十分です。

56... Be1 57. Ne3 Bf2


57... Kf7 58. Kg4 Ke6 59. Nf5 Ke5 60. Kf3 Ke6 61. Ke2+- このような手順でも本譜と同じです。

58. Kf4 Bg3+ 59. Kg4 Kf6 60. Nf5! Bf2



黒はg3 でピース交換をするわけにはいかないので、ビショップが逃げる1手です。ここでのポイントは、60... Be1 61. Nxh4! Ke5 62. Nf3++- と進み、白がナイトフォークでビショップを取れれば白の勝ちになるということです。このようにh4 のポーンを取れることが、eポーンを4段目にキープしておき、eポーンとhポーンの距離を離さなかった利点となっています。

61. Kf3! Be1 62. Ke2!


こうして逃げたビショップをキングで追い、完全にe1-g3 のダイアゴナルから追い出してからh4 を取れば、白の勝勢です。間違って61. Nxh4? Ke5! ならば、黒はe4 のポーンを取ってドローに持ち込むことができるでしょう。

62... Ba5 63. Nxh4 Ke5



白はh4 のポーンを取って明らかにポジションを改善しました。それではこれがそう簡単に勝ちかと言えば、そんなこともありません。白はe、hポーンを取られずに進めるために、もう一工夫必要です。63... Kg5 64. Ng2 Bc7 65. Kd3 Be5 66. Kc4 Kf6 67. Kd5 Bb8 68. h4 Bg3 69. Kd4 Kg6 70. Kc4 Kg7 71. Ne3 Kg6 72. Nf5 Bf2 73. Kd5 Be1 74. Ke5 Bf2 75. Kf4 Be1 76. e5+- こうしてf4 までキングを回してからeポーンを進めれば、今度こそ完全に白の勝ちです。

64. Kf3 1-0


ちなみにこのエンドゲームには、もう一つ語るべきストーリーがあります。それはこのエンドゲームが封じ手の末に指されたものであるということです。封じ手というのは、試合が長引いた際にいったん中断し、手番の側が対戦相手にも周囲にも分からなうよう紙に自分の指す手を記して、試合再開時にその手からスタートするというものです。封じた側は手を変更することができず、封じられた側は相手が選んだ手を知ることができないという点で、公平性を保つのです。将棋や囲碁の世界では現在でも残る封じ手の制度ですが、チェスの世界ではコンピュータが進歩して解析が容易になりすぎたため、封じ手の制度はほとんど残っていません。

私と桑田くんは封じ手から再開までの間、互いに10年以上前のコンピュータで解析をして、このエンドゲームが複雑であることを理解していました。現在でもありえることですが、コンピュータは白の勝勢と評価し、それに応じた指し手も示していても、実際にその通り進めるとどこかで同じ手を繰り返し、白勝ちにならないのです。そこで私はコンピュータの解析と人間らしい発想を織り交ぜ、長い時間をかけてナイトがf5 にいくアイディアを発見しました。こうした経緯もあり、このエンドゲームが10年以上たっても思い出深いものになっているのです。

The Modern Italian

最近様々なオープニングをチェックしていて、面白いと思ったItalia の変化を今夜はご紹介します。

Anand, V (GM, IND, 2762) - Aronian, L (GM, ARM, 2786)
FIDE Candidates 2016 (9)

1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bc4!?



私も函館で1試合指しましたが、Italian はRuy Lopez に劣らず、面白いオープニングだと思っています。近年、トップGM でもItalian を採用する機会が増えてきたのは、Ruy Lopez Berlin が優秀なオープニングとして、1. e4 に刺される頻度が高くなっていることが影響しているでしょう。

3... Bc5 4. O-O d6 5. d3 Nf6 6. c3 a6 7. a4!?


7... Bb3 と指してNc6-Na5 を指すのが最もポピュラーですが、クイーンサイドでスペースを取り、a2 のマスにビショップを下げる準備をしてくアイディアも有効です。この手自体はさほどユニークではないですが、次の白の手が面白いと感じました。

7... Ba7 8. Na3!?



この手は2015年頃から、爆発的に指される数が増えています。Italian やRuy Lopez では、b1 のナイトはNb1-Nd2-Nf1-Ng3(or Ne3) と出るのが一般的ですが、この変化ではa3 を経由してe3 を目指すことで、Rf1-Re1 を省くことができます。a2-a4 はa2 にマスを作るだけでなく、ルークでa3 のナイトを守る役割も果たしているわけです。

8... Ne7 9. Nc2 Ng6 10. Be3 O-O 11. Bxa7 Rxa7 12. Ne3 Ng4 13. Qd2 a5 14. d4 Ra8 15. dxe5 N4xe5 16. Nxe5 Nxe5 17. Bb3 Nd7 18. Bc2 Re8 19. f3 b6 20. Rfd1 Nc5 21. b4 Nd7 22. Bb3 Nf6 23. Qd4 Qe7 24. Nd5 Nxd5 25. Bxd5 Ra7 26. b5!


Re1-Rf1 を省いたからといって、白に大きなアドバンテージが突然できるわけではありません。白はゆっくりとクイーンサイドでスペースを拡大していき、b5 までポーンを伸ばすことでc7 を固定しました。これにより、エンドゲームでチャンスを掴みます。

26... Bb7 27. c4 Qe5 28. Rac1 Qxd4+ 29. Rxd4 Kf8 30. Kf2 Ke7 31. f4 f6 32. Rc3 Kd7 33. Rh3 h6 34. Rg3 Re7 35. Rg6 Bxd5 36. cxd5 Ra8



ダブルルークエンディングまで進み、c7 とg7 にプレッシャーをかけられる白が指しやすくなりました。

37. Kf3 Rae8 38. Kg4!


ここで白はe4 とg7 の交換で勝負に出ます。黒がe4 を取らなければ、Kg4-Kf5 とキングに前進され、黒は何もできなくなるでしょう。

38... Rxe4 39. Rxg7+ Kc8 40. Rd2!



白が勝ちを目指すためには、ルーク交換を避けるのが正しい判断です。黒がa4 を取ろうものなら、Rd2-Rc2 からc7 を狙い、白の勝勢です。

40... Kb8 41. Rc2 Rc8 42. Ra2 Rd4 43. Kf5 Rxd5+ 44. Kxf6


これまで以上に、白と黒でキングの働きにはっきり差ができました。黒は白のパスポーンを消しにいきますが、白は新たなパスポーンを作れるため、問題ありません。

44... Rf8+ 45. Rf7 Rxf7+ 46. Kxf7 Rf5+ 47. Kg6 Rxf4 48. g3 Rc4 49. Kxh6+-



キングにサポートされた2コネクテッドパスポーンを作り、勝負ありです。後は丁寧にこれを進めて白の勝ちとなります。

49... d5 50. Kh5 d4 51. g4 d3 52. h4 Rd4 53. Rd2 Kc8 54. g5 Kd7 55. Kg6 Rxh4 56. Rxd3+ Ke8 57. Ra3 Rc4 58. Kg7 Kd7 59. g6 c6 60. Kf6 cxb5 61. g7 Rg4 62. axb5 Rg1 63. Rd3+ Ke8 64. Re3+ Kd7 65. Re5 Rxg7 66. Rd5+ 1-0


結局はエンドゲーム勝負になった試合でしたが、序盤のピースの駒組みも面白いと思います。2017年も、このオープニングは1. e4 e5 のゲームで見ることになりそうです。

2017/01/29

Weekly Chess Puzzle Vol.33


Kojima, S - Nakagori, K
Matsudo Autumn 2006
White to move


Sakai, H - Kojima, S
Japan Chess Championship 2008(4)
White to move

1つ目は典型的なSicilian のポジションです。黒は少しゆっくり組みすぎたため、白にアタックのチャンスが生まれています。2つ目は同色ビショップのエンドゲームで、2コネクテッドパスポーンを持っている黒が勝てるかと思いましたが、45... Kd6? が悪く、白はここでドローにするチャンスがあります。いつも通り、答えが分かった方はコメント欄へお気軽にどうぞ。

2017/01/20

Weekly Chess Puzzle Vol.32


Kitagami, S - Kojima, S
Chubu Rapid 2016 (4)
Black to move


Yamada, K - Kojima, S
Summer Open 2016 (3)
Black to move

2017年最初のパズル出題です。2012-2013年頃の試合から出題することが多かったですが、今回は去年の試合からにしてみました。

1つ目は中部快速での北神さんとの試合です。黒は2ルークvs. クイーンで駒得していますが、どのように試合を決めれば良いでしょうか。2つ目は人生初のナイト+ビショップでのメイトとなった、山田くんとの試合です。白キングを追い詰めるアイディアは色々あると思いますが、このポジションでポイントとなる1手を探してみてください。回答はいつも通り、コメント欄へお気軽にどうぞ。

2017/01/14

Saturday Lecture on 28th January 2017


Erenburg - Kortschnoj / 2004
Black to move

【日時】 2017年1月28日(土) 13:00~15:00
【会場】 チェスセンター(最寄駅:池上駅)
【形式】 レクチャー+質疑応答
【テーマ】 Useful Pawn Moves
【テーマ詳細】

2017年最初のレクチャーとなります。ポーンは最も弱い駒でありながら、相手のピースの動きを制限したり、自分のピースの動けるマスを確保したりと、とても重要な働きを担います。ポーンがどこにあり、どのような働きをしているかは、そのポジションにおける形勢と、その後の作戦に大きな影響を与えるでしょう。そこで今回は様々なポジションにおいて、役立つポーンの手とそのアイディアをご紹介しようと思います。

【参加費】 レクチャー代1200円+飲み物代200円
【参加資格】なし
【対象】 レイティング2000未満

2017/01/13

Characteristic of A Tournament in U.S


年末のラスベガスのトーナメントについて、忘れないうちに色々なことを書いてみようと思います。今後、アメリカのトーナメントに参加することを検討しているプレーヤーに、参考にしていただければ幸いです。

・チェスセットと時計は持参


アメリカのトーナメントは、基本的にチェスセットと時計をプレーヤーが持参します。日本のトーナメントと違い、シートも用意されていません。用意されているのは、棋譜用紙だけです。そのため、必要な道具を忘れたプレーヤーは会場で購入するか、他のプレーヤーから借りる必要があります。私は他のマスターから借りたことも、逆に貸したこともあります。ラスベガスのNorth American Open では、上位3ボードまではチェスセットと時計の用意がありましたが、他はすべてプレーヤーの持ち込みでした。

このようなシステムに慣れているアメリカのプレーヤーは、試合道具一式をバッグに詰め、どこのトーナメントにも参加するでしょう。逆にヨーロッパやアジアのように、運営側がチェスセットから時計までを用意するのが当たり前の文化圏のプレーヤーは、かなり戸惑うと思います。ちなみに私は、ラスベガスの4R で当たったプレーヤーが、黒のピースだけが赤いチェスセットを持参しており、それで試合の準備をしていました。それは流石に勘弁してくれと、私のチェスセットに変更してもらいましたが、譲らなかった場合はどちらのチェスセットを使うか、揉めるかもしれませんね。

・タフな試合スケジュール


アメリカのトーナメントは持ち時間も長く、それで1日2試合する日も多いため、体力的にはかなりきついでしょう。1日6時間を超える試合が続く可能性もあります。夕方から始まったゲームが7時間を超え、日付が変わっても終わらないということも、かなり珍しいですがありえます。そのうえで夜の10時、11時から数時間かかるブリッツトーナメントを開催し、それに多くの参加者が集まるのも驚きです。

加えて、日本から参加する場合は大きな時差の問題があります。もちろんヨーロッパのトーナメントもありますが、ブダペストが8時間であるのに対し、ラスベガスは17時間です。この大きな時差に体調を崩すことなく、ハードなスケジュールで試合をこなさなければいけないことも、アメリカのトーナメントに参加する際の課題となるでしょう。


・遅いペアリング発表


ペアリングの発表については、私はアメリカのトーナメントには不満があります。今回、エントリーの際に登録したメールアドレスに、対戦相手の名前と色がメールで送られてくることもあり、そのこと自体は画期的だと思いました。しかし、その通知が早かったり遅かったり、タイミングはまちまちでした。HP 上での公開も遅い場合が多く、試合直前に会場前に紙で掲示されてるものを確認しなければいけませんでした。Swiss Manager とChess Results を使うヨーロッパ、アジアのトーナメントとはこの点でも大きく特色が異なり、初めてアメリカに参加したプレーヤーは戸惑うでしょう。

・独特の持ち時間


試合の持ち時間も、他とはかなり違います。North Ameican Open は40手2時間+30分+初手から1手10秒delay でした。このdelay のシステムは、時計によってはBronstein と記載されているもので、Fischerのように時間が増えるのではなく、決められた時間、持ち時間が減らないということです。つまり10秒delay であれば、指し始めた際に最初の10秒は持ち時間が2時間のままで、10秒を過ぎてから1時間59分になるということです。9秒使ってから指しても、1秒しか使わずに指しても、余った時間は加算されません。

delay はDGT の時計の裏には記載があるため、特殊すぎるものではないと思いますが、私は少なくともヨーロッパのトーナメントで見かけたことはありません。日本でもFischer システムの持ち時間か指し切りしか使わないため、初めての人はこの持ち時間の違いにも気を付ける必要があると思います。

・モンロイの利用


アメリカのトーナメントでは、モンロイを使います。モンロイとは、棋譜用紙に自分で棋譜を記録する代わりに、ディスプレーをタッチして駒を動かし、棋譜を記録する小型の機械です。モンロイで記録された棋譜は即中継されるため、観戦をしているプレーヤーにとってはありがたいでしょう。私は今回、インドのアジアジュニア以来、10年ぶりにモンロイを使いました。使い勝手も良かったので、棋譜を紙に書いたのは最初の3試合ほどで、残りは全てモンロイで記録しています。

ちなみにモンロイは使うことは義務ではありません。運営スタッフから試合前に「良かったら使ってね」と渡されます。希望すれば両者ともモンロイを使えますし、逆にどちらも使わなくてもOKです。ラウンドによっては、上位のボードの中継がなく、かなり飛んだ下位ボードの中継はあるという不思議な状況もありえます。この点も、見る人によっては自由、見る人によってはいい加減ともとれる、アメリカ独自のスタイルです。

このように書いてみると、持ち時間とモンロイを除いた上の3つに関しては、日本の大会のスタイルと似ているとも言えるかもしれません。今回は注意点や不満なことを多めに書きましたが、もちろんレベルの高さや盛り上がりなど、参加するべき価値は大いにありますので、今後も機会があればアメリカの大会にはチャレンジしてみたいと思っています。



2017/01/09

New Year Open 2017 Tournament Report


3連休の2日目である昨日は、新年チェス大会に参加してきました。昨年は仕事の都合で2試合しかできませんでしたが、今年は4試合のフル参加です。結果は上のクラスで、Lorenzana さんと並び、4連勝での優勝でした。入賞した皆さん、おめでとうございます!

1st Place Kojima, S
2nd Place Arkenette, L
3rd Place Katsuta, Y


今大会は愛知県の豊橋から、日系ブラジル人で構成されたMinamoto Chess Japan のメンバーが、10人以上のグループで参加していたのが印象的でした。ジュニアの参加者が増えたこともあり、A、Bクラスで過去最多の計60名を超える参加者がありました。いつもこうして大勢の参加者で賑わうと良いですね。

私は神田さん、坂井さん、逢坂くんに3連勝の後で、同じく全勝の勝田くんとの最終戦を迎えました。勝田くんの指すSlav 対策には、新しい変化を用意して試合に臨みます。

Katsuta, Y - Kojima, S
New Year Open 2017 (4)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nf3 Nf6 4. Nc3 dxc4 5. e3 Be6!?



2年前のジャパンオープンでは、5... b5 6. a4 b4 7. Na2 とメインラインを指しました。それに不満はありませんでしたが、少し調べて面白いラインを見つけていました。

6. Ne5


6. Ng5 Bf5!? 7. Bxc4 e6 はオランダのGM Spoelman の実戦で見つけました。メインのClassical Slav に似ており、黒は大きな問題なく指せると思います。

6... g6 7. Nxc4 Bg7 8. Be2 O-O 9. O-O Nbd7 10. b3 c5 11. Bb2 cxd4 12. exd4?!



ここでIQP を作ることは、b2 のビショップとd4 のポーンの相性が悪いうえ、黒のピースがd4 へのアタック、d5 のアウトポストのコントロールにとても良い配置になっているので、白にとって良い作戦とは言えないでしょう。12. Qxd4 であれば、形勢互角でゲームは進みそうです。

12... Nb6 13. Nxb6?!


マイナーピースを減らし、白のアタックチャンスを減らすことは、IQP を持たせている黒にとって良い方針です。

13... Qxb6 14. Na4 Qd6 15. Bf3 Bd5 16. Nc5 b6 17. Nd3 Rac8 18. Ne5 Bxf3 19. Qxf3 Qd5 20. Qe2 Rc7 21. Rac1 Rfc8 22. Rxc7 Rxc7 23. Rd1 Qe4!



ずっとイニシアチブを握ってきた黒ですが、cファイルをコントロールし、c2 やc1 への侵入を見せたうえで、クイーンを交換すれば具体的に駒得のチャンスを得られるでしょう。

24. Qxe4 Nxe4 25. f3 Nc3 26. Bxc3 Rxc3 27. Rd2 Bh6!


この手が見えたため、Ne4-Nc3 の跳び込みを決断しました。これでd4 のポーンを取り、黒が駒得した状態でエンドゲームに突入します。

28. Re2 Be3+ 29. Kf1 Bxd4 30. g3 Bxe5 31. Rxe5 Rxf3+ 32. Ke2 Rc3



この2ポーンアップのエンドゲームは、手数こそかかるものの、黒が問題なく勝てるでしょう。

33. Rxe7 Rc2+ 34. Kd3 Rxa2 35. h4 Rg2 36. Re3 h5 37. Kc4 a6 38. Kd5 Rc2 39. Kd6 b5 40. Ke7 b4 41. Re4 a5 42. Kf6 Rc6+ 43. Kg5 Kg7 44. g4 Rc5+ 45. Kf4 hxg4 46. Re7 Rc3 47. Ra7 g3 48. Rxa5 g2 49. Rg5 Rxb3 50. Rxg2 Rb1 51. h5 b3 52. hxg6 fxg6 53. Kg5 Rc1 54. Rb2 Rc5+ 55. Kg4 Rb5 56. Kf4 Kf6 57. Kg4 Rb4+ 58. Kf3 Ke5 59. Ke3 g5 60. Ke2 Kd4 61. Kd2 g4 62. Rb1 b2 63. Kc2 Kc4 0-1


新年チェス大会は中学生の頃から数え、最多の8回目の優勝となりました。今年も良いスタートが切れたと考え、今後のトーナメントも頑張っていこうと思います! 次は3月の百傑戦でお会いしましょう。


試合後の夕飯は蒲田駅近くにできた牛カツのお店へ

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