2011/05/21

Gelfand's Rook Ending

Candidates Matches Final 初戦のGrischuk-Gelfandで、興味深いルークエンディングが現れました。私は白のGrischukが勝つかと思いましたが、結果はドローでした。Chessbaseの解説を読む限り、Gelfandは正確に指して、1ポーンダウンながら危なげなくドローだったようです。私はこれをすぐには理解できなかったため、今日ここで取り上げようと思います。

Grischuk,A(2747)-Gelfand,B(2733)
Candidates Matches Final(1)

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 d5 4. Nc3 Be7 5. Bf4 O-O 6. Rc1 c5 7. dxc5 Bxc5 8. e3 Nc6 9. a3 d4 10. exd4 Nxd4 11. b4 Nxf3+ 12. Qxf3 Bd4 13. Nb5 e5 14. Bg5 Re8 15. Bxf6 e4 16. Bxd8 exf3+ 17. Kd2 Rxd8 18. Nxd4 Rxd4+ 19. Kc3 fxg2 20. Bxg2 Rg4 21. Rhd1 Be6 22. Bxb7 Rxc4+ 23. Kb2 Rxc1 24. Rxc1 Rd8 25. Kc3 Kf8 26. b5 Ke7 27. a4 Rd6 28. a5 Kd8 29. b6 Bc8!
30. Bxc8 Kxc8 31. Kb4+ Kb8 32. bxa7+ Ka8 33. Rc8+ Kxa7 34. Rc7+ Ka6 35. Rxf7 Rg6 36. h3 Rg2 37. f4 Rg3 38. f5 h5 39. h4 Rg4+ 40. Kc5

私はこの辺りで、真剣にこのルークエンディングがどのような結末を迎えるのかを考え始めました。同時にコンピュータにもこの局面をかけ、形勢を確認します。すると42手目がポイントで、白が勝つとコンピュータは評価しました。しかし、それは幻だったようです・・・

40...Rxh4 41. Rxg7 Rf4 42. Rg6+

私はこの手がミスで、Grischukが勝ちを逃したのだと思いました。ところがそれは間違いで、白はa5を取らせないようにしても、勝つことはできません。私が考えていたのは、42.Rg6の代わりに42.Rg5です。

42. Rg5 h4 43. Rh5 h3 44. Kd6 h2 45. Ke6 Rf2 46. f6 Re2+ 47. Kf7 Rf2 48. Kg7 Rg2+ 49. Kh7 Rf2
このような形にすれば、本譜とほとんど同じで黒はドローに持ち込めます。

42...Kxa5 43. Rg5 h4 44. Rh5 h3 45. Kd6 h2 46. f6+ Kb6 47. Ke6 Rf2 48. f7 Re2+ 49. Kf6 1/2-1/2
最後は、黒が後ろからルークでのチェックをかけ続け、キングが離れれば...Rf2でポーンを狙ってドローになります。h2にポーンがあるために、ルークをぶつけるルセナポジションのアイディアが使えないことがポイントです。

Grischuk-Gelfandのマッチは、Game2もドローのルークエンディングとなり、Game3は短手数ドローでした。Game4からの後半戦に注目しましょう。

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