2011/11/12

A nice victory for Germany

昨夜のETCC、最終戦のトップボードは、ドイツがアルメニアを2.5-1.5 で降しました。その結果、長かったETCC は、ドイツの逆転優勝で幕を閉じました。ハンティマンシスクオリンピアードは、ベストのメンバーで臨むことができず、不本意な結果に終わったドイツにとって、今回の勝利は大変価値のあるものだったと言えるでしょう。ドイツの詳しい戦績はこちらから。

ドイツはロシアに次いでマスター数が多く、世界でも強豪国の一つです。しかし、国のトップ数人を見れば、2700台はNaiditsch 一人だけであり、世界のスーパースターを複数抱える、ロシア、ウクライナ、アゼルバイジャン、アルメニアなどを抑えての今回の優勝は、周囲の予想を大きく裏切るものだったと思います。事実、ドイツの今回のスタート順位は38チーム中10位で、優勝を狙うには簡単な位置ではありません。

ドイツが勝てた要因は色々あるでしょうが、5Rでブルガリアに3-1で大敗した後も、崩れることなく粘り強く指せたことは、特に大きかったと思います。特に最後の3戦は全て、2.5-1.5の肉薄した勝利であり、しかも勝った試合は全て黒です!私が特に興味を持った試合を、ここではご紹介したいと思います。

Vajda, L (2584,ROM) - Fridman, D (2661,GER)
18th European Teams (7)

1. e4 e6!?


ドイツのFridman と言えば、Khenkin,Dautov に並ぶCaro-Kann の名手ですが、ここではFrench を選択してきました。
おそらく副将のGM Georg Meier と、レパートリーを合わせてきたのでしょう。

2. d4 d5 3. Nc3 Nf6 4. e5 Nfd7 5. f4 c5 6. Nf3 Nc6 7. Be3 Qb6 8. Na4 Qa5+ 9. c3 b6!?



French ではよく見られる手で、働きの悪い白マスビショップの交換を狙います。
9...cxd4 10.b4 Nxb4!? 11.cxb4 Bxb4+ 12.Bd2 Bxd2+ 13.Nxd2 0-0 も面白い変化です。

10. Kf2?!


ありえない手ではないですが、白マスビショップの交換に応じるのは、黒の望む展開です。
10.Bd2 と退く手がベストだったと思います。

10... Ba6 11. dxc5 Bxf1 12. b4 Be2 13. Kxe2 Qb5+ 14. Kf2 bxc5 15. a3 a5 16. bxc5 Nxc5 17. Bxc5 Bxc5+ 18. Kg3 Ba7 19. Rb1 Qc4 20. Qb3 Qe4 21. Qb7 O-O!



黒はピースを捨てて、不安定な白キングを攻めます。f4のポーンが落ちるのがポイントです。

22. Qxc6 Be3 23. Kh3 Qxf4 24. Rhf1 Qh6+ 25. Kg3 Rac8 26. Qd7 Rc4 27. h4 Qf4+ 28. Kh3 Qg4+ 29. Kh2 Rxa4 30. g3 Rxa3 31. Ng5 Ra2+ 32. Kh1 Rf2 33. Rxf2 Bxf2 34. Qd6 Qxg3 0-1



ドイツは最終戦も、Georg Meier がMovsesian にFrench で勝ったことで、逆転優勝をもぎ取りました。他にもまだまだ面白い試合は隠れていると思いますので、これから発掘作業に入りたいと思います。ドイツの優勝記事と、棋譜のダウンロードはChessBase (http://www.chessbase.com/newsdetail.asp?newsid=7667)からどうぞ。

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