2012/05/27

CAISSA 2012 May 8th round - Tremendous Accelerated Dragon -

Photo by Mr. Seres

CAISSA もいよいよ大詰め、8R です。私の試合は、対戦相手が午前中も試合をしていたことにより、一時間遅れでの開始となりました。一昨日の晩はこの8R のために、何を指すべきかあれこれ悩みましたが、そんな必要もないほどあっさり勝ちました。

Kojima, S (FM, JPN, 2264) - Vamos, V (HUN, 2232)
CAISSA 2012 May IM (8)

1. Nf3 Nf6 2. c4 e6 3. g3!?



相手が最初の2手をやけに自信ありげに指してきたため、Nimzo-Inadian を指してくることは明らかでした。私も、3.Nc3 Bb4 4.d4 Nc6!? (アイディアは後に...d6,...e5)という彼の得意ラインを調べてきましたが、相手が嫌がると思い、あえてそれを外しました。

3... Nc6?!


この手はスペースを確保しないので、...Bb4 から黒マスビショップとc3 のナイトを消す構想との組み合わせで、力を発揮するはずです。そのため、白がd4 もNc3 も遅らせている以上、うまい手だとは思えません。

4. Bg2 e5?!


Just a tempo loss! 1.c4 e5 2.g3 Nf6 3.Bg2 Nc6 4.Nf3 と比べて、黒はe6-e5 とポーンを突き直しており、単純に一手損をしています。それはないだろうと思いつつも、1.c4 e5 の形はあまり白での実戦経験がないので、油断はできません。ところが・・・

4... d5 5. O-O dxc4 6. Qa4+/=

5. O-O d5?!



驚くべきことに黒は、Reversed Dragon のセットアップを取ってきました。ただでさえシャープなDragon で、2手損は致命的な遅れとなります。

6. cxd5 Nxd5 7. Nc3 Be6 8. d4!+/-



8.d3 でゆっくり行くか、少しだけ悩みましたが、展開で勝る白がセンターを開いて悪いはずがありません!黒はここから、2手損の重みを噛みしめることになります。

8... Nxc3 9. bxc3 exd4 10. Nxd4!


ここはナイト交換を挟み、白マスビショップのダイアゴナルを開いておくのが正解です。

10... Nxd4 11. cxd4 c6


白は開いたラインを最大限に利用して黒のポーンを攻めることができます。

12. Rb1 Qd7 13. Qa4 b5


14.Rxb7! の狙いを防ぎますが、代わりにc6 が弱くなります。

14. Qa6 Bd5 15. Bxd5 Qxd5 16. Be3



白は焦る必要が全くありません。d4 をシンプルに守りつつ、c ファイルにルークを回せば、黒はポーンを守りきれません。

16... Be7 17. Qb7 Rd8 18. Rfc1 Rd6 19. Qxa7


白はここでポーンをもらっておきます。19. Qb8+ Rd8 20. Qxa7 と一度チェックを入れておけば、なお良しでした。

19... Re6 20. Qa8+ Bd8 21. Qa3 Be7 22. Qb3!



ポーンアップしていることもあり、私はクイーンを交換しても勝てると判断しました。おそらくここはクイーンを交換するのがベストチャンスですが、実戦的には不利と分かっているエンドゲーム飛び込むのは、苦しい決断です。実際に彼は一発逆転のチャンスを求めて、クイーンを交換を避けました。

22... Qh5


22... Qxb3 23. Rxb3 Kd7 24. d5 cxd5 25. Rxb5 Ra6 26. Rxd5+ Ke6 27. Rd2 Rha8 28. Rb1+-

23. d5 Re5!?


この手を指されて何事かと思いましたが、すぐにQh5-Qh3, Re5-Rh5 が狙いであることに気が付きました。そこですぐにc6 を取るのではなく、ルークをアタックしておくことで白のQh5-Qh3 を防ぎます。優勢の局面では一手でも早く勝とうとするよりも、相手にカウンタープレーを許さないことが肝心です。

24. Qc3 O-O 25. dxc6 b4 26. Qd4 Bf6 27. c7 Rc8 28. Qd7 Ree8


もう一つの選択肢も、すぐに白勝ちになります。28... Qf5 29. Qxf5 Rxf5 30. Rxb4 Re5 31. Rb8 Ree8 32. Rxc8 Rxc8 33. Rb1 Be5 34. Bf4+-

29. Qxe8+ Rxe8 30. c8=Q Rxc8 31. Rxc8+ 1-0



連続ドローと悔しい負けの直後には、こうした思いがけないスカッとした勝利が巡ってくるものでしょうか。なにはともあれ、2つ勝ち越し状態で最終戦を迎えることとなりました。

最後の対戦相手は、あの Mark Lyell です。皆さんにとっては、どのMark? だと思いますが、私にとっては忘れられない相手です。初めてハンガリーに来た2年前、まだFS のシステムもよく呑み込めていない初戦で、私に痛い負けをくれた人です。色もその時と同じ黒なので、しっかり、その時のお返しをしようと思います。

夕食を求めて広場へ。昼にはなかった店を発見です。

奥にある豚肉とじゃがいも、たまねぎの炒めものをいただきました。

あまりに違和感がないので、スルーしていました(笑)まるで最初からHIVO というキャラクターがいるかのようです。

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