2012/12/13

The rule of threefold repetition

私がロンドンの8R でやらかした直後に、日本のチェス仲間らが3回同一局面のルールについて調べてくれました。FIDE のハンドブックによれば、3回同一局面が現れた場合、手を指さずに棋譜に手を書き、アービターにアピールするのが、正しいドロー申請の手法のようです。間違って手を指してしまうと着手となり、ドロー申請の機会を失うことになります。また、普通は手を指す前に棋譜を書くことは禁じられていますが、3回同一局面と50手ルールの場合のみ、特例だそうです。

私はこれを聞いて、なるほどと思いましたが、同時にアジアとヨーロッパでの、チェスの認識の違いについて考えさせられました。アジアは中国、インド、ベトナムなどの一部の国が実力を伸ばしていますが、全体的にはまだヨーロッパに比べて、チェスはマイナーです。すると競技の細かいルールへの認識も、ヨーロッパに比べれば甘くなるのでしょう。

事実、私がかつて3回同一局面の申請でミスをしたマレーシアのトーナメントでは、手を指して時計を押す前に時計を止め、ドローを申請するようにと言われました。これは明らかに、今回明らかになった正しい申請方法とは異なります。マレーシアの会場にいたIA が、正しいルールを知らなかったわけではないと思いますが、ヨーロッパと違い、そこまでルールを厳格化しなくても良いと考えていた可能性はあります。

私は日本で12年チェスをやっていて、今回の正しいドロー申請のルールを聞いたことがありませんでした。(調べてみたところ、このルールを説明している日本のチェスサイトもいくつかありました。)これはマレーシア同様、日本のトーナメントでも、一部のルールを曖昧にしたまま競技を行ってきたことが原因だと思います。ドローの申請方法など細かいルールを徹底するかは、各トーナメントの主催者にお任せしますが、私は他のプレーヤーが自分同様のミスを海外でしないよう、こういったルールがあるという事実は、なるべく広めていただきたいと思います。

最後に、今回の件でルールを調べ直してくださった皆さん、ご協力ありがとうございました。今後、3回同一局面のドロー申請を間違えることは二度とないでしょう。

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