2013/07/31

Mickey comes back to the top!


ハンガリーのLeko と対戦するAdams Chessbase News より

ブログをサボり気味だったので、久々の更新です。最近はドイツのドルトムントで毎年開催されている、ハイレベルなトーナメントの様子を追っていました。ここまで半分の5試合を消化し、4/5 というすばらしいスコアで、ロシアのKramnik とイングランドのAdams がリードしています。私は2004年のWorld Cup 以来、Michael Adams のファンなので、今日は彼にスポットを当てた記事を書こうと思います。

Adams というプレーヤーは、1980年代の後半からイングランドで活躍し、現在も国のNo.1 の座にいます。一時期には不調で2700台を割り、Nigel Short や、もっと若いLuke McShane にトップの座を脅かされることもありましたが、私は彼こそがイングランド最強のプレーヤーだと信じています。彼が指す超正統派 1.e4 スタイルは、高校時代に大変勉強させてもらいました。(特にMicky と言えば、French Tarrasch のスペシャリスト!)最近はEnglish Opening も多用しているようですが、今大会でも、彼の力強い1.e4 を見せてもらいたいところです。

私にとって思い出深いのは、2004年のWorld Cup 決勝、Adams の相手はウズベキスタンのGM Rustam Kasimdzanov でした。あの時、Ruy Lopez Exchange で敗れることなく、Adams が世界チャンピオンとなっていれば、世界中のチェスプレーヤーが持つ彼の印象も、大きく変わっていたことでしょう。思えば、2004年はLeko がKramnik に負けた年でもあり、私の中では色々と感慨深い出来事の連続でした。

とにかく、Adams のチェスにはあまり華がないと言われ、ドルトムントのようなビッグトーナメントでも、優勝した姿はあまり見たことがありません。そのため、前半5試合を終えて3勝2ドローと好調の今回こそ、Micky がまだまだ世界のトップで戦えるということを証明してほしいと思います! 残りの4試合は、地元ドイツのNaiditsch、Khenkin、Meier の3人が続き、最終戦が現在トップを競っているKramnik との直接対決です。日曜の最終戦まで、目が離せません!

Dortmund Official HP
Live Games

2013/07/26

Japan Junior Championship 2013


今日と明日の2日間、蒲田でジュニア選手権が開催されます。この大会は6年前に卒業した私ですが、諸事情により今日1日は会場にいて、試合の様子を見守っていました。夕方から少し顔を出せばよかったような気もしますが...

今年のジュニア選手権は、参加者が29名。元ジュニアチャンピオンの唐堂くん、毎年ドイツからこの時期に来日する建内くん、昨年からニューヨークに渡っている阿部くんの3名が、リストトップ3名となっています。今年もハイレベルな参加者の中、唐堂くんのみが3連勝! 試合内容は怪しいものの、3R ではイスタンブールの女子代表、星野華怜ちゃん相手にファイティングスピリットを見せました。

Tang, T (JPN, 2019) - Hoshino, K (WCM, JPN, 1556)
Japan Junior Championship 2013 (3)

1. e4 c5 2. Nc3 d6 3. g3 g6 4. Bg2 Bg7 5. d3 Nf6 6. f4 O-O 7. Nf3 Bg4 8. h3 Bxf3 9. Bxf3 Nc6 10. O-O Nd4 11. Bg2 Rb8 12. Be3 Nd7 13. Qd2 b5 14. Nd1 Qc7 15. c3 Nc6 16. Nf2 b4 17. d4 bxc3 18. bxc3 cxd4 19. cxd4 Qa5 20. Rfd1 Qxd2 21. Rxd2 Na5 22. Rc1 Nb6 23. Rdc2 Rfc8 24. Rxc8+ Rxc8 25. Rxc8+ Nxc8 26. e5 Nc4 27. Bc1 N8b6 28. Nd3 d5 29. Kf2 e6 30. g4 Bf8 31. f5 Na4 32. fxe6 fxe6 33. Nf4 Bh6 34. Ne2 Bxc1 35. Nxc1 Nc3 36. h4 Kf7 37. Kf3 Nd2+ 38. Ke3 Nde4 39. a3 Ke7 40. Nd3 Kd7 41. g5 Nd1+ 42. Ke2 Ndc3+ 43. Ke3 Nd1+ 44. Kf4 Ndc3 45. Bh3 Nb5 46. Ke3 Nxa3 47. Nf4 Nc2+ 48. Kd3 Nb4+



49. Ke2!?


観戦していた私は、49. Ke3 Nc2+ でドローにするしかないと思っていました。しかし、唐堂くんはこれを蹴って勝負に行きます!

49... Ng3+ 50. Kd2 Nf5 51. Kc3 a5 52. h5 gxh5 53. Nxh5 Nc6 54. Nf6+ Ke7 55. Nxd5+ Kf7 56. Bxf5 exd5 57. Bxh7 a4 58. Bb1 Ke6 59. Ba2 Nxe5?



華怜ちゃんは時間切迫の中、ドローチャンスを逃してしまいました。正解の手を指そうとし、迷った末にこちらを選んでしまったのは悔しいでしょう。

59... Ne7! 60. Kb4 Nc6+! 61. Kc5 Nxe5 62. dxe5 Kxe5 63. g6 Kf6 64. Bb1 a3 65. Kb4 a2= このようにキングをおびき寄せてからナイトを切れば、gポーンも消せるため、ドローに持ち込むことができました。

60. dxe5 Kxe5 61. g6 Kf6 62. Bb1 d4+ 63. Kb4 a3 64. Kxa3 Kg7 65. Kb4 Kf6 66. Kc4 d3 67. Bxd3 Kg7 68. Kd5 Kf6 69. Kd6 Kg7 70. Ke7 Kh8 71. Kf6 Kg8 72. Bc4+ Kf8 73. g7+ Ke8 74. g8=Q+ 1-0



華怜ちゃんもイスタンブール以降、さらに実力を伸ばしたように見えましたが、この日は唐堂くんに軍配が上がりました。明日は私は会場に足を運べませんが、唐堂くんには2日目も3連勝し、全勝で高校最後のジュニアを制してもらいたいと思います。


麻布の現エース、松永くんは初日2勝1ドロー。4R は唐堂くんとの試合に臨みます。


アメリカで修行中の阿部くんは、すっかり子供っぽさが抜けたように思えます。


優勝候補の1人、建内くんは、カナダの中川くんに痛い負けで、一歩後退です。


アメリカらからのニューフェイス、高畑くんも今大会のダークホースになりえるでしょう。

2013/07/25

Memories of Hungary Vol.7 - What I study in Hungary -


3月に帰国して以来、「小島さん、変わりましたね」と周囲から言われることが、しばしばあります。そしてそれは、チェスのプレーに関することではありません。ハンガリーでの9ヶ月は、もちろんチェスの勉強がメインの目的であったわけですが、それ以外にも私がハンガリーの生活の中で学んだことは、たくさんあるはずです。自分で自分の変化を考えるのは少し難しいですが、ハンガリーを振り返るシリーズの締めくくりとして、このテーマで記事を書いてみようと思います。

これまでの記事で書いてきた通り、私はハンガリーで多くの人と交流を持ちました。それはブダペストで勉強する留学生であったり、ハンガリーや近隣諸国で働く日本人たちであったり、少しの間ハンガリーに立ち寄った旅人であったり、私同様、チェスが好きで好きでしょうがないチェスプレーヤーたちであったりします。その中には、これまで私が関わることのなかった種類の人たちも多く、日本の狭いチェスの世界ばかりにいた私には、様々な新鮮な発見がありました。

例えば小さなことですが、私はアンダンテでの生活に入る前、一人でコーヒーメーカーでコーヒーを作ってみたり、から揚げを作るために鶏肉の下処理をしたり、外国で日本人の友人を作ったりしたことがありませんでした。人にとっては当たり前のことでも、私のこれまでの生活には必要ない、もしくは自分にはできないと思っていたためです。しかしこれらは全て、やろうと思えばそう難しいことではなく、なぜ今まで自分でやろうとしなかったのか、首を傾げたくなるようなことばかりです。


アンダンテでは、他のお客さんと協力して料理を作ることもありました。(ほとんど人任せでしたけどね!)

逆に私に対しては「チェスできるなんてすごいね!」という声が、アンダンテのお客さんからはよく寄せられました。しかし、私はチェスができることをすごいと思ったことはないですし、教えたお客さんの多くは1時間もあればルールをマスターしてしまいます。大学を卒業してから、チェスの道に進もうと思ったのも、ハンガリーでの留学を決めたのも、結局は自分がどうしようもないほどチェスが好きで、もっともっとチェスがしたかったからです。

そんな私にはブダペストで日本人宿を経営することや、ブダペストの大学に籍を置くことや、世界中を一人で旅することのほうが、自分がやっていることよりも、よっぽどすごいことで、自分には全く真似できないことに思えました。しかし彼らに言わせれば、それも私同様、好きだからやっているものなのかもしれません。結局のところ、誰しもが自分にできることは大したことではなく、他人にできることはすごいと、思い込みがちなのでしょう。


チェスを教えたお客さん同士が、対戦することもありました。

これまで頭では分かったつもりでも、きちんと理解できていなかったこと。それは人にとって当たり前のことや、できることが、他人にとってはそうではないということです。こんな小さなことを、多くの人との交流の中で再確認できたことが、ハンガリーの生活の中で学べた、最も大切なことなのかもしれません。それと同時に、自分のコンプレックスを見て卑下する必要などないと、少し肩の荷が下りました。

ちなみにこれは、自分の未熟な部分を無視しても良いということではありません。自分がどうしても気になる点は、自分で改善に取り組むべきでしょう。私が言いたいのは、他人と自分を比べて、隣の芝生を羨んでばかりいても仕方がないということです。それよりも、自分ができることを伸ばし、自分ができないと思っていたことにも、一度チャレンジしてみるべきでしょう。意外とあっさりできてしまうかもしれません。こうしたことに気づいてから、私がどう変わったか。自分や他人に対して寛容になったか、実のところはよくわかりません(笑) でも、そういう自分でありたいという気持ちは、ハンガリーから戻った今も持ち続けています。

そして、これからまたどうしていくかということですが、まだ迷い中です。しかし、まずはハンガリーに忘れてきた最後のIM ノームを取ることを、当面の目標にします。「結局そこに戻るんだな!」と突っ込まれそうですが、まずは自分の出来ることを一歩ずつです(笑) 試合の少ない日本の生活で腕が鈍っており、3ヶ月かけてもノームを取れなかったらどうしようか... という不安もありますが、そこは皆さんの応援でカバーできればと思います! そのようなわけですので、引き続き、私のことを温かく見守っていただければと思います。

2013/07/24

Ragozin Revival


Slav の他に使える 1. d4 対策の武器として、Queen's Gambit Ragozin Variation を再び研究中です。ゲームはデータベースからの検索が主ですが、昨年の1月にブログで書いた、Ragozin Complex も併せて読み直しています。その中で昨日並べていて、かなり驚いたアイディアがあったので、今日はそれをご紹介しておきましょう。

Reshevsky, S - Ragozin, V
Semmering 1937

1. Nf3 Nf6 2. d4 d5 3. c4 e6 4. Nc3 Bb4 5. Qa4+ Nc6 6. e3 O-O 7. Bd2 a6 8. Qc2 dxc4 9. Bxc4 Bd6 10. a3 e5 11. d5 Ne7 12. h3 b5 13. Ba2



次に黒が何を指すべきかは、なかなか難しいところでしょう。私は他の似たポジションも勉強した結果、a2-f7 のダイアゴナルを開いても、どこかでc7-c6 とポーンを突くべき(c7 の弱点を捌いて、cファイルからカウンターを作るため)なのかと思っていましたが、このゲームで登場した手は、私の予想とは全く違うものでした。

13... Qd7!


驚くべきことに、黒はクイーンを1マス前進させます。このような手をすぐに思いつくプレーヤーは、日本にはほぼいないでしょう。一見すると何が狙いなのかさっぱり分かりませんが、とりあえず進めてみることにします。

14. e4 a5! 15. O-O b4 16. axb4 axb4 17. Ne2 Qa4!



こうして黒はクイーンをぶつけ、交換を狙います。白がこれに応じるようであれば、e4 の守りとa2 の働きの悪いビショップが気になります。

18. Bb3 Qxa1 19. Rxa1 Rxa1+ 20. Nc1 h6


マテリアルは2ルーク vs クイーンとなり、黒が指しやすいことは間違いないでしょう。このゲームはお互いミスが出た末にドローに落ち着きましたが、黒のオープニング成功のサンプルとして、貴重な実戦だと思います。それにしても、コンピュータでの解析もなく、Qd8-Qd7-Qa4 というマヌーバリングを思いつく辺り、昔のマスターも当然ながら強かったのだなぁと、改めて実感しますね。

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 d5 4. Nc3 Bb4 が基本形となるQueen's Gambit Ragozin Variation は、ハンガリーで1勝4ドローとまずまずの数字を残しており(しかも内容はどれも良い)、今後も研究と実戦を重ねて、さらに強力な武器としていきたいと思います。



2013/07/23

Memories of Hungary Vol.6 - A Reliable Organizer -


9月にハンガリーに戻ることを発表したので、このシリーズもそろそろ終わりにしようと思います。本当はあと1号で締めくくるつもりでしたが、この人のことを書かないわけにはいかないと思い至り、2号書く予定にします。今回は、ハンガリーで伝統的なGM, IM トーナメント、First Saturday のオーガナイザー、Laszlo Nagy 氏をご紹介します。

First Saturday については、このブログで何度も書いていますが、ここで改めて説明をしておきましょう。この大会はハンガリーの首都、ブダペストにて、1月を除いて毎月開催されるラウンドロビン(もしくはダブルラウンドロビン)の大会で、GM セクションではGM ノームを、IM セクションでは、IM ノームを獲得するチャンスがあります。そのため、私のようにノームを欲するチェスプレーヤーたちが、アジアだけでなくヨーロッパ各国からも集まります。Laszlo さんの仕事は非常にざっくり言えば、この大会を年に11回、開催することです。

そのために必要なことはいくつもあると思いますが、もっとも大切なことは、きちんと毎月人を集めることでしょう。ノームの条件が成立するためのマスターの確保と、ノームを欲するプレーヤーの確保を両立しなければ、GM, IM トーナメントは成立しません。プレーヤーが参加の意思を決めて、航空券とホテルを予約し、いざ出発の直前に、「人が集まらなかったから今月のFS は中止です」では、とてもお話になりません。

そして、そんな大会開催を継続するのにも、大変な労力が必要です。例えば、私が本気で動こうと決断すれば、3~4ヵ月後に海外からマスターを呼んで協力してもらい、日本のトッププレーヤーを交えて、日本でIM トーナメントを開催することは、なんとか可能だと思います。しかし、それを毎月、年に11回開催するのは、とてもではないですが不可能でしょう(笑) Laszlo さんは先日、7月のFS を終えたばかりですが、すでに8月どころではなく、9月10月の開催のための、プレーヤー確保に動いています。それを1年中、そして毎年繰り返すわけです。


イスタンブールオリンピアードにて

なぜ、ハンガリーでこうしたトーナメントがコンスタントに成立するかと言えば、地元のマスターや隣国のマスターが集まりやすいこともあるでしょうが、なにより、オーガナイザーのLaszlo さんが細かな気配りができ、そして信頼できる人間だからだと確信しています。ちょっとしたことですが、彼はどんな参加者とも、会場でよく話をします。内容は戦績のことや、生活のことなど様々ですが、参加者がブダペスト滞在中、問題なくチェスをプレーできるか、何か不満はないかを常にチェックしています。さらに面白いのは、各国の挨拶を覚えようとすることです。私には「コンニチハ! オゲンキデスカ?」 と聞いてきますし、インド人には「ナマステ!」と挨拶しています。こんなことは誰でもでき、大したことではないと思うかもしれませんが、ちょっとした労力をかけて顧客の満足度を上げるということは、どんな世界でも必要なことではないかと思います。

他にも、プレーヤー以外の会場見学を積極的に受け入れ、アンダンテでできた私の友達とも交流を積極的に持ちますし、私がハンガリーを離れた後も、最近どうしてるか? と細かく連絡をくれます。連絡をくれるのはビジネスのためかもしれませんが、数ヶ月たっても自分のことを気にしてくれるというのは嬉しいことですし、彼がそういった人物でなければ、次回はハンガリーではなく、別のトーナメントに参加しようと考えるプレーヤーも、間違いなくいるでしょう。まとめるならば、Laszlo さんは、なかなかに愉快な人物で、その彼の人徳が、FS を支える柱になっているということです。「ガールフレンドはできたか?」と、しつこく聞いてこなくなれば、まさにパーフェクトでしょう!(笑)

そんな彼でも、First Saturday の企画設立当初は、かなりの苦労があったと予想します。現在では、ヨーロッパのGM, IM トーナメントと言えば、ハンガリーのFirst Saturday だというのが、世界のチェス界でも常識になっていますが、最初からそうだったはずがありません。どうやって国内のマスターに協力してもらうか、どうやって海外からプレーヤーを集めるか、どうやって大会を告知するか、そういったことを試行錯誤してきた結果、現在のFS があるのでしょう。過去に彼が行ってきた努力を予想し、現在の彼と大会の様子を見るたび、月並みな表現ですが、すごい人だなと思うのです。

私は1ヵ月半後にはハンガリーに戻り、彼と半年ぶりの再会を果たします。チェスの世界で生きる先輩としての、彼の活動は今後もチェックしていきたいと思いますし、次のハンガリー滞在中は、これまでしてこなかった話を、彼としてみたいと思っています。私もこれから、盤上のチェスの技術だけではなく、もっともっと多くのことを学んでいかなければいけませんね。

2013/07/22

Summer Schedule 2013


この写真は本文とはなんら関係がありません。

これから7月末から8月にかけて、関東では重要な大会が続きます。私が参加するしないに関わらず、まとめて公開しておきましょう。

7/26-27 全日本ジュニア選手権
7/26-28 全日本シニア選手権

8/03-04 全日本女子選手権
8/10-13 Japan League (FIDE公式7R)
8/14-18 頭脳スポーツフェスティバル2013
8/24 2nd IV League (日程変更の可能性あり)
8/31 Saturday Lecture (午後開始予定)


8月にフルで試合する人はあまりいないと思いますが、いるとすれば大変ですね。今年2月の私のスケジュールもおかしかったですが...
私はこの合間を縫って、個人のレッスンや高校のクラブ合宿の引率、その他の細々とした仕事をこなす予定です。そして三村くんからは、海に行ってバーベキューしようとの誘いが来てるので、余裕があれば、そうした遊びの予定も入れていこうと思います(笑) なにせ、日本の夏は二年ぶりですからね!

ちなみに赤字が私の参加予定の試合、およびイベントです。(レクチャーは当たり前ですが)他の大会も、基本的には一部の日程で顔を出すつもりなので、参加予定の皆さんはよろしくお願い致します。それでは今年の夏も、皆さんチェスを大いに楽しみましょう!


2013/07/20

Saturday Lecture on July Report


今日は池上でレクチャーをこなしてきました! 参加者の皆さん、お疲れ様です。今日は個人的には悪くない出来だったと思いますが、相変わらずタイムキープは下手なまま... もう少し2時間、テンポ良くこなせるように頑張ります。

一つ、タイムアップにより扱えなかったゲームをご紹介しておきましょう。私が中学生の頃に並べ、感銘を受けたゲームです。

Albin, Adolf - Shipley, Walter Penn
New York, 1894

1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bc4 Bc5 4. c3 Nf6 5. O-O O-O 6. d4 exd4 7. cxd4 Bb6



白はセンターポーンを2つ伸ばすことで、c5, d5, e5, f5 を抑える、理想的なポーンの並びを実現します。しかし、それをあえてすぐに崩し、相手のナイトをアタックして、f6, c6 からナイトを追い払います。

8. d5 Ne7 9. e5 Ne8


9... Ne4? 10. Bd5!+-, 9 ... Nh5? 10 .g4!+- はいずれもナイトが捕まります。

10. d6 cxd6 11. exd6 Ng6



白は最終的にdポーンを6段目まで押し込むことで、自分の白マスビショップの利きは開きつつ、相手の白マスビショップを封殺します。

12. Bg5 Nf6 13. Nc3 h6 14. Qd3!


ポーンを進めれば、そのポーンが抑えていたマスが弱くなります。ここではあえてg5 のビショップを無視し、g6 のナイトを取りにいきます。

14... hxg5 15. Qxg6 Nh7 16. Nd5!


d5 のマスが使えるのは、d5-d6 とポーンを進めたおかげです。ポーンを進めれば、そのポーンのいたマスが活用できるようになる、というのは今日のレクチャーで扱った大切なテーマの一つです。

16... fxg6 17. Ne7+ 1-0



最後はビショップとナイトによるメイト。問題なく見えますかね?

来月のレクチャーは8月31日の予定です。午後のサタデートーナメントがないため、レクチャー自体を午後からにするという案も出ています。こちらは詳細が決まり次第、またブログでお知らせしますね。それでは、私がハンガリーに戻る前、最後のレクチャーもよろしくお願い致します!


今日のおまけ。たまたま蒲田のお祭りに遭遇しました。13年蒲田に通って、神輿も屋台も初めて見ます(笑)

2013/07/18

Back to Hungary


昨晩、ブダペストのFirst Saturday オーガナイザー、Laszlo Nagy さんから「ハンガリーには、いつ帰ってくるんだ?」と質問を受けました(笑) 最近、日本でもよく聞かれますので、良い機会だと思い、ここでお答えしておきましょう。私は今年の9月頭のFirst Saturday から、ハンガリーに戻るつもりです。出発は、9月4日か5日のどちらかにする予定です。

3月に帰国して以来、メインとして考えていた3つのトーナメント、全日本選手権、アジアインドア、ジャパンリーグのうち、2つはすでに消化しました。ならば、8月のジャパンリーグが終わり次第、ハンガリーに戻るのが適切だと考えています。向こうにいる期間はあまり考えていないのですが、ノームが取れ次第、日本に帰国するつもりです。最低で1ヶ月、最長でビザが切れる3ヶ月といったところでしょうか。(3ヶ月試合をして、ノームが取れないケースはあまり考えたくないです...)

再びハンガリーの生活がスタートするのはとても楽しみですが、今年2月に後一歩まで迫りながら取り損ねた、3つ目のノームを取らなければいけないというプレッシャーもあります。しかし、そういったものとの戦いも楽しみの1つと考え、3度目のハンガリー生活に臨もうと思います。日本の皆さんには、また応援をお願いするとともに、ハンガリーでお世話になった皆さんとの再会を楽しみにしています。

最後に昨日、Laszlo さんから送られてきた、ハンガリーのノームトーナメント情報をお知らせしておきます。もし、私と一緒にハンガリーのトーナメントに参加したいという方がいらっしゃれば、まずは私にご相談ください。9月以降、観光で遊びに来る方も歓迎しますよー。


“FIRST SATURDAY”

MONTHLY CHESS TOURNAMENTS
for GM-, IM-norms and FIDE ELO,
B U D A P E S T, Hungary,
in the hotel MEDOSZ
www.firstsaturday.hu
IO Nagy László, mobile: +36-30-230-1914
e-mail: firstsat@hu.inter.net

*************************

“CAISSA”

monthly chess tournaments, K e c s k e m e t, (Hungary) for norms and FIDE ELO,
www.caissachessbooks.com

Org.: Dr. Erdélyi Tamás
tel: +36-30-271-3338
e-mail: caissa@t-online.hu

Round Robin System (10-12 players)
Double Round Robin (6-8 players)



2013/07/17

Training with Uesugi Family


ドレスデンオリンピアードのビデオを背景に。

今日は上杉家に急遽お邪魔し、私と同じFM タイトルを持つ晋作くんとトレーニングを行いました。3-0 を10局ほど指しましたが、結果は聞かないでください(笑) 晋作くんも来月にアメリカで開催される大会で、久々の公式戦復帰となるそうなので、このままさらに調子を上げていってほしいと思います。

韓国からの帰国後、上杉家の皆さんには大変お世話になりました。昨年は私のハンガリー留学があったため、晋作くんとは1月の松戸チェスクラブ選手権以来に会い、この1週間ほどで楽しい交流が持てたと思います。先月から始まった彼のHP も好調のようですし、今日はKindle でのチェス本も出版したそうで、これから本格的にチェスに戻ってくることを願っています。

晋作くんは明日の夕方、愛しの彼女が待つアメリカに帰るそうなので、また次の来日の機会を楽しみにしています!
そのときまで Good Luck!


晋作くんの父親、和哉さんからは将棋の手ほどきを受けました。

2013/07/16

Summer Open 2013 Day2


今年のサマーオープンは、昨日2日目の3試合が行われ、私は無事に3連勝! 大先輩の松尾さんとは残念ながらペアリングが組まれませんでしたが、それは次の大会でのお楽しみにとっておくことにしましょう。ひとまずは今年の国内公式戦での単独初優勝に、胸をなでおろしています。

1R 小島慎也 (2409) - 杉本公一 (1962) / 1-0 / a6 Slav
2R 堀江貴広 (1800) - 小島慎也 (2409) / 0-1 / Queen's Pawn Opening
3R 小島慎也 (2409) - 権田源太郎 (2042) / 1/2-1/2 / Nimzo-Indian
4R 神田大吾 (1775) - 小島慎也 (2409) / 0-1 / Caro-Kann Advanced
5R 小島慎也 (2409) - 山田弘平 (2219) / 1-0 / Fianchetto Grunfeld
6R 内田成美 (1828) - 小島慎也 (2409) / 0-1 / Caro-Kann Advanced

Kojima, S (FM, JPN, 2409) - Yamada, K (JPN, 2219)
Summer Open 2013 (5)

1. d4 Nf6 2. c4 g6 3. Nf3 Bg7 4. g3 d5 5. Bg2 Nc6 6. O-O dxc4 7. Na3 Bg4?!



ここはビショップが最初に出るマスとして、若干不自然でした。f3 をとった後の、d4 のポーンとb7 のポーンの交換は白に有利なため、7... O-O 8. Nxc4 Be6 9. b3+/= と進める展開が自然でしょう。

8. Nxc4 O-O 9. Nce5 Nxe5 10. Nxe5 Bc8


ひとまず、白マスのロングダイアゴナルを開きつつ、ビショップを退かせて白は満足です。ここから他のピースを含めたセットアップを考えます。

11. b3 Nd7 12. Nf3 Nb6 13. Bb2 a5 14. Qc2 c6 15. Rfd1 h6 16. Ne5!



将来的にb3 に残るポーンを攻撃されるのは面倒なので、それをサポートするようにナイトの位置を切り替えます。

16... Be6 17. Nd3 a4 18. Nc5 axb3 19. axb3 Rxa1 20. Rxa1


ここはどちらで取るか少し迷いましたが、ビショップがa1に退いても何もできないので、新しいルークの使い道を考えます。

20... Bc8 21. e3 Qc7 22. Nd3 Rd8 23. Rc1 Qb8 24. Qc5 Nd5 25. e4 Nf6 26. Qb6?!



すぐにポーン取る手には、Rd8-Re8 からのカウンターが入るので面白くありません。26. d5! (黒マスビショップのダイアゴナルを開く好手! 頭にはあったのですが、これで決定的なアドバンテージが掴めるとは気づいていませんでした。) 26... Bd7 27. Be5 Qc8 28. Qxe7+-

26... Bg4 27. f3 Be6 28. Nf4 Bd7 29. e5 Nd5 30. Nxd5 cxd5 31. Rc7


持ち時間のほとんどない中、こうして7段目にルークが入れば、何かしらのチャンスを作れるだろうと考えました。

31... Bc6 32. e6!?



白は単純にポーンを取りにいっても、32. Rxe7 Bf8 33. Rc7 Qa8! からのカウンターに少し困るだろうというのが、私と弘平くんの共通見解です。

32... Bf6 33. Bh3 Qa8!


正直に言えば、d8 のルークを浮かせてしまうために、このaファイルからのカウンターは成立しないだろうと思っていました。ところが...

34. b4 Qa2!! 35. Rxc6 Qxb2 36. exf7+ Kg7 37. Rxf6! Qb1+??



黒はf6 のビショップを切られたために、攻めが完全に消えたと勘違いしてしまったか、最後の最後で間違えてしまいます。37... exf6 38. Qxd8 Qxd4+ 39. Kg2 Qd2+ 40. Kf1 Qd1+ 41. Kf2 Qd2+= と進めれば、パペチュアルチェックでドローでした。

38. Bf1 1-0


黒マスさえ抑えられなければ、白はキングを逃がすことができます。弘平くんにとっては、実にもったいないゲームでした。

ハンガリーから帰国して4ヵ月半、日本の公式戦では初優勝ですが、直前の韓国での戦績が振るわなかったため、喜んでばかりもいられません。また気を引き締めて、次の公式戦、Japan League に備えようと思います。それでは皆さん、また来月試合会場でお会いしましょう。


10代から30代まで年齢は様々ですが、こうして見ると学級会のようです(笑)

2013/07/14

Summer Open 2013 Day1


昨晩は同級生の汐口くんと午前3時過ぎまでチャットをしており、就寝間際にこう思いました。「奇跡的に起きられたら、サマーオープンに行こう。」

こうして全く予定外の大会参加となりました。他の参加者は皆さん、「えっ?参加しないって言ってたじゃん!」といった反応でした。気まぐれですみません。

Horie, T (JPN, 1800) - Kojima, S (FM, JPN, 2409)
Summer Open 2013 (2)

1. Nf3 Nf6 2. g3 d5 3. Bg2 c6 4. d4 Bf5 5. O-O h6 6. Nbd2 Nbd7 7. c4 e6 8. b3 Bd6 9. Bb2 O-O 10. Rc1 a5 11. a3 Qe7 12. c5 Bc7 13. b4 axb4 14. axb4 Ne4 15. Qb3 e5 16. dxe5 Nxe5 17. Nxe4 Bxe4 18. Qc3 Rfe8 19. Nh4 Bxg2 20. Kxg2 f6 21. Nf5 Qd7 22. Ne3 Ng4!



このポジションで、黒の大きな優勢を確信しました。ルークはやはり、オープンファイルでその力を最も発揮します。

23. Nxg4 Qxg4 24. Rfe1 Ra4! 25. e4 Be5 26. Qb3 Bxb2 27. Qxb2 Rxe4!



かなり難しいですが、このポーンが取れるとしっかり読みきり、24手目からの流れを決めました。

28. f3 Rexb4 29. Qc2?


この手では黒は単なる2ポーンアップですので、後は簡単です。最も難しい変化は、29. Re8+ Kf7 (29... Kh7?? 30. Qc2+ Qg6 31. Rh8+!+-) 30. Qe2 Qd7 31. Re1 Re4! 32. fxe4 Qxe8 33. Qh5+ g6 34. Qxh6 Rxe4-/+ ですが、こちらも順当に行けば、黒が勝つでしょう。

29... Qd7 30. Qg6 Rb2+ 31. Kg1 Ra8 32. Ra1 Rd8 33. g4 Qc7 34. Qh5 Qf4 35. Re7 Kh8 36. Rae1 Qxf3 37. Re8+ Rxe8 38. Rxe8+ Kh7 39. Qf5+ Qxf5 40. gxf5 Rc2 41. Rb8 Rxc5 42. Rxb7 d4 43. Rd7 Rd5 44. Rxd5 cxd5 0-1



e4 を取りにいったポジションは、なかなか面白かったと思います。あそこでポーンを取らなければ、黒が勝つのはもっと大変だったでしょう。

サマーオープン初日はこの試合を含め、2勝1ドローという戦績でトップタイにいます。他に2.5P で並んでいるのは、他に山田くん、松尾さん、権田さん、神田さんの4名で、2日目は午前中から、この上位陣同士でのつぶし合いとなります。


中高の13代上の先輩、松尾さんと。


夕飯はインドカレー屋に足を運びました。ナンがでかい!

2013/07/13

27th Summer Universiade in Kazan vol.2


私は冬のロシアしか知りませんが、写真を見る限り、夏は暑そうです。それにしても変な人が(笑)

要くんからロシアの写真が再び届いたので、今日はカザンユニバーシアードの続報です。昨日までで2/3 の6R までが終了し、日本から参加している2人はかなり苦戦しています。

Sjugirov (GM, RUS, 2647) - Nanjo, R (CM, JPN, 2299)
27th Summer Universiade (3)

1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. Bb5+ Nd7 4. d4 cxd4 5. Qxd4 Ngf6 6. Bg5 e6 7. c4 Be7 8. Nc3 O-O 9. Bxd7 Qxd7 10. O-O a6 11. Rfd1 Rd8 12. Qb6 Qc6 13. Qxc6 bxc6



南條くんは今年のカペルで優勝したロシアの若きGM、Sjugirov と3R で激突しました。クイーン交換をして黒は少し楽になったかに見えましたが、ここからの白の指し方には舌を巻きます。

14. e5! dxe5 15. Rxd8+ Bxd8 16. Rd1 Be7 17. Nxe5 Bb7


黒は弱点となったc6 を苦しい形で守らざるをえませんが、白は追撃の手を緩めません。

18. Na4! Kf8 19. Be3 Ne4? 20. f3 Nf6



このテンポロスは大きな痛手でした。白は黒マスから黒陣にピースを侵入させ、決定的なアドバンテージを得ます。

21. Bc5! Rb8 22. Nd7+ Nxd7 23. Rxd7 Bxc5+ 24. Nxc5 Bc8 25. Rc7 Ke8 26. b3 e5 27. g4 h5 28. h3 hxg4 29. hxg4 a5 30. Kf2 a4 31. Nxa4 e4 32. Nc5 exf3 33. Kxf3 g6 34. Kf4 f6 35. Rh7 Kd8 36. g5 fxg5+ 37. Kxg5 Ra8 38. Ne6+ 1-0



これがロシアでも上位のGM の実力です。ゲームを見ていて、私も南條くんも、まだまだこれからだと実感しました。


GM Sjugirov と対戦する南條くん


今年のカペルから。優勝したSjugirov と、小林くん、三村くんの記念撮影です。

南條くんはこの後も調子が上がらず、ここまで2/6 と2つ負け越しています。やはり韓国との連戦は厳しいようですね。最後の3試合は少しでもポイントを獲得できることを願っています。

そして要くんはさらに厳しい戦績で、4連敗スタート後、ドローと勝ちで、ここまで1.5/6 となっています。Twitter では、進撃の巨人パロディネタに走らなければ、心のバランスが保てないほどショックなようです。私も昨年、ハンガリーで経験がありますが、4連敗はとても苦しいものです。それでも1つの白星や盤外の出来事で気分はずっと楽になるものですので、彼にも後半3試合をきっちりと戦い抜いて、帰国してほしいと思います。


写真を見る限り、食事はおいしそうです。

27th Summer Universiade in Kazan Chess Results

2013/07/11

Encounter with Presidents

韓国での大会期間中、試合会場から宿泊棟に戻る我々に、謎の黒服のオジサンが声をかけてきました。いわく、今度日本に行くから情報が知りたいんだけど、とのこと。南條くんが詳しく話を伺ってみたところ、彼らはAsian Chess Federation の会長のHisham Al-Taher 氏と、その取り巻きたちでした。

Hisham Al-Taher 氏は7/9 に来日し、JOC の竹田会長と会う約束でした。私は帰国してすぐに、渡井さんにも彼らと会うよう連絡を取り、どうなったかの連絡待ち状態に入ります。そして先ほど、彼からメールが届き、以下のリンクに記事が出ていると教えてもらいました。

http://alroeya.com/node/37553
http://www.albayan.ae/sports/all-games/2013-07-11-1.1920371

私はアラビア語は分からないので、記事の内容までは読めませんが、少なくとも3人が無事に対談を済ませたことは理解できました。これには最初に話を持ちかけられた南條くんも、ロシアで一安心しているのではないかと思います。Hisham Al-Taher 氏の要望は、アジア各国でのチェスの活性化だと予想していますので、今回の来日と対談が、日本のチェスにとってプラスになるよう願っています。次に渡井さんに会ったときは、どんな話をしたのか聞いてみることにしましょう。

あとアラビア語の分かる方は、ざっと何が書いてるのか教えてくださいな!(笑)

2013/07/10

Saturday Lecture on July 20th


Nakamura, R - Kojima, S
Black to move

韓国のことで最近まで頭がいっぱいでしたが、来週末には池上でのレクチャーが迫っています。今月のレクチャーのテーマは、単純なようでなかなか奥の深い、ポーンの前進とします。

【日時】 2013年7月20日(土) AM 10:00~12:00
【会場】 チェスセンター(最寄駅:池上駅)
【形式】 レクチャー+質疑応答
【テーマ】 Advance of the Pawn
【テーマ詳細】

ポーンという駒は他のピースと違い、一度前進すると戻ることができません。さらには、その位置によって働きを大きく変えるため、動かすときは慎重にならなくてはいけません。今回のレクチャーではポーンの前進をテーマに、ポーンの位置や働き、他の駒との連携などについて考えていこうと思います。いつも通り、実戦から良いポーンの前進と悪いポーンの前進の例を取り上げ、ご紹介する予定です。

【参加費】 1000円
【参加資格】なし
【対象】 レイティング2000未満

今月は午後のサタデートーナメントがないため、参加費は一律1000円となります。皆さん、よろしくお願い致します。それでは来週末、池上でお会いしましょう!

2013/07/09

27th Summer Universiade in Kazan vol.1


要くんから届いた写真では、南條くんの元気の良さが伝わってきます。

昨日の記事でも軽くお伝えしたとおり、ロシアのカザンで夏季のユニバーシアードがスタートを切りました。様々な種目で大学生、大学院生がメダルを争うこの大会には、チェス競技に2人の日本人選手が参加しています。

南條遼介(CM, JPN, 2299)
佐藤要(JPN, 2038)


韓国での試合を終えたばかりの南條くんと、現学生チャンピオンの要くんが、リスト上位がGM で埋まるこのハードな大会に挑みます。Chess Bomb では、早速南條くんのゲームが中継されていたので、途中局面をご紹介しておきましょう。

Ma, Q (GM, CHN, 2584) - Nanjo, R (CM, JPN, 2299)
27th Summer Universiade (1)


1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 Nf6 4. d3 Bc5 5. c3 O-O 6. Nbd2 Re8 7. O-O a6 8. Ba4 Ba7 9. Re1 d6 10. Nf1 b5 11. Bb3 Be6 12. Ng3 Ne7 13. Nh4 Nd7 14. Bc2 c5 15. Qf3 Nf8 16. Nhf5 Nxf5 17. exf5 Bd7 18. Nh5 f6 19. Bb3+ Kh8



南條くんは、初戦で中国の新鋭、まーくんと対戦です。私が前に見たときは2300台だったはずなんですが、いつのまにか2600を超えそうです...

Twitter では、これは南條くんのゲームではないのでは?という書き込みも見ましたが、彼は確かにRuy Lopez Berlin を研究しており、Chess Results でのペアリングをチェックしても、これが彼のゲームで間違いありません。ちなみに、すでに相当押し込まれて苦しいように見えます。

その他の大会情報、ライブゲームなどは以下のサイトからチェックしてみてください。私も大会期間中は、彼らのゲームと結果を常に見るようにしたいと思います。

27th Summer Universiade in Kazan
Chess Results
Chessbomb


他国のメンバーと。皆さん楽しそうで何よりです。


会場をチェックする南條くん。


最後はおまけ。私はアメリカから帰省中の、上杉くんと会っていました。

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