2014/02/12

Chess Fundamentals - Lessons from Cuba -


現代のチェス界で南米キューバの有名人と言えば、ランキング1位のLeinier Dominguez Perez でしょう。2700を超えるレイティングを保ち、南米でもNo.1 の実力者である彼は、今年のTata Steel でも好成績を残しました。Aronian にストップをかけることはできませんでしたが、Caruana とのRuy Lopez とのゲームでは、非常に難解なポーンストラクチャーの戦いを制したことが印象的でした。このポーンの形を見て、ゲームを思い出す人も多いかと思います(笑)


Dominguez Perez, L (GM, CUB, 2754) - Caruana, F (GM, ITA, 2782)
76th Tata Steel Masters (4)
Position After 50. Ra5

一方で100年以上昔のチェス界にも、キューバの有名人が存在しました。それが第3代の世界チャンピオン、Jose Raul Capablanca です。(意外と過去の世界チャンピオンがどこの国出身かということは、気にしないチェスプレーヤーも多いかもしれませんね。) これまでCapablanca のチェスについては、ベストゲームのチェックのほか、以前にブログでも紹介したCapablanca's Best Endings を並べたぐらいでしたが、最近はもう少し彼の古いゲームを見るようにしています。2月に入ってからは電車内で、携帯のアプリに移した彼の白番での勝ち試合を片っ端から並べています。


第3代世界チャンピオン、Jose Raul Capablanca, World Chess Hall of Fame より

そして今日、あらためてCapablanca の本が何かないかと探していたところ、Chess Fundamentals という1冊を発掘しました。1921年(!)に本人の手によって書かれた初版が出版され、1994年に現在出回っている一般の版、そして2011年にKindle 版が出版されました。以前内容に目を通した際は、基本的なメイトの形やエンドゲームの解説から書かれていたので初心者向けなのかと思っていましたが、読み進めていくと、とてもためになるゲームも出てきます。細かい解説は省きますが、1つだけ試合を紹介しておきます。

Capablanca, Jose Raul - Blanco, R
Masters, Havana

1. e4 e6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Nd7 5. Nf3 Ngf6 6. Nxf6+ Nxf6 7. Ne5 Bd6 8. Qf3 c6 9. c3 O-O 10. Bg5 Be7 11. Bd3 Ne8 12. Qh3 f5 13. Bxe7 Qxe7 14. O-O Rf6 15. Rfe1 Nd6 16. Re2 Bd7 17. Rae1 Re8 18. c4 Nf7 19. d5!


19... Nxe5 20. Rxe5 g6 21. Qh4 Kg7 22. Qd4 c5 23. Qc3 b6 24. dxe6 Bc8 25. Be2!


25... Bxe6 26. Bf3 Kf7 27. Bd5 Qd6 28. Qe3 Re7 29. Qh6! Kg8 30. h4! a6 31. h5 f4 32. hxg6 hxg6 33. Rxe6 1-0



シンプルながらも、Capablanca の強さが表れており、勉強になるアイディアが詰まっていると思います。難しすぎないところも良いので、どこかのレクチャーで使いましょうかね。Capablanca の話をしだすと、まだまだ記事が長くなりそうなので、今日はこれぐらいにしておきましょう。この本を読み終わってしばらくしてから、また彼について語る機会を設けようと思います。

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