2017/08/18

中部快速オープン2017 Tournament Information


昨年の中部快速オープン

明日は新潟での試合ですが、その前に違うイベントの告知です。5月の東海オープンに際に耳にしていましたが、今年は例年秋の中部快速オープンが、名古屋オープンより早く開催されます。すでに名古屋チェスクラブのHP では中部快速オープンの詳細が発表され、参加者も募集しています。私もこれからエントリーするつもりです。

日程: 9/3 (日)
会場: 名古屋市芸術センター
大会形式: 6R スイス式
タイムコントロール: 25分+1手10秒
参加費: 8000円 (18歳未満6000円)
賞金: 優勝40000円、2位25000円、3位15000円、A優勝15000円 (レイティング1700未満)

日時以外は昨年と全て同じです。クラブ選手権前に大会を探している人は、ぜひ名古屋に足を運んでみることを検討してみてください。

Saturday Lecture on 26th August 2017


Rossolimo, N - Romanenko, I
Salzburg 1948
White to move

【日時】 2017年8月26日(土) 13:00~15:00
【会場】 チェスセンター(最寄駅:池上駅)
【形式】 レクチャー+質疑応答
【テーマ】 Mating Attack
【テーマ詳細】

チェスには様々な勝ち方がありますが、相手キングをメイトにするのは最もシンプルで分かりやすい勝ち方です。どのピースを捨てようとも、メイトになれば勝ちであるならば、思わぬアタックも時には生まれます。どのような手でメイトのチャンスを作り、どのように正確に読むか、8月のレクチャーではメイトのアタックにスポットを当て、ゲームをご紹介しようと思います。

【参加費】 レクチャー代1200円+飲み物代200円
【参加資格】なし
【対象】 レイティング2000未満

ジャパンリーグがあったため、レクチャーの告知が遅くなりました。8月は26日(土)の開催です。皆様のご参加をお待ちしております。

2017/08/16

Japan League 2017 Day4 Tournament Report


今年のジャパンリーグ入賞者たち

昨日、ジャパンリーグの最終戦が行われ、7R の全試合が終了しました。最終戦、トップボードでは0.5P リードしていた馬場さんが、勢いそのまま、GM Xu Yinglun からドローを取り、6/7 での単独優勝を決めました。馬場さんはこの結果により、9月のFIDE レイティング更新で2300 を超えることが確定し、FM タイトルを獲得することになりました。優勝と併せ、おめでとうございます!

1st Place Baba Masahiro (CM, JPN, 2262) 6/7
2nd Place Xu Yi (IM, CHN, 2446) 5.5/7
3rd Place Xu Yinglun (GM, CHN, 2542) 5.5/7
4th Place Kojima Shinya (IM, JPN, 2401) 5.5/7

Japan League 2017 Final Standings


入賞を巡る最終戦、4.5P だった私とXu Yi は、それぞれ青嶋くん、中村くんと白をもって対戦し、揃って勝利しました。ジャパンリーグでは3年連続の対戦となる青嶋くんには、公式戦での初勝利です。優勝こそ逃したものの、大事なこのラウンドを、きっちり白星で飾れたのはとても嬉しいです。

Kojima, S (IM, JPN, 2401) - Aoshima, M (JPN, 2257)
Japan Laegue 2017 (7)

1. Nf3 Nf6 2. c4 e6 3. Nc3 Bb4 4. Qc2!?



このAnti-Nimzo Indian はこれまで、大事なラウンドで指してはみるものの満足な結果が出せず、やきもきしていたオープニングの1つです。それでもきちんと指せば白が良いはずだと信じ、最近復活させることにしました。Nimzo-Indian Classical に手順前後することもありますが、d2-d4 は遅らせ、少し様子を見ることにします。

4... O-O 5. a3 Bxc3 6. Qxc3 d5?!


この手は意外なチョイスで、青嶋くんは試合後にこれを悔やんでいました。確かにフィアンケットを組む白マスビショップとの相性を考えれば、d7-d6 で止めておき、将来的にc7-c5 か、e6-e5 のどちらかのポーンを伸ばす(もしくはどちらも)ほうが自然だと思います。

7. e3 b6 8. b4 Bb7 9. Bb2 dxc4



白がビショップとクイーンをa1-h8 のダイアゴナルで重ねると、黒は失ったビショップの黒マスに気を付けなくてはいけなくなります。自然な展開に見える9... Nbd7 10. c5! は黒が押し込まれ、苦しい展開でしょう。a8-h1 のダイアゴナルを開く本譜は自然にも思えますが、白のビショップの展開を助けてしまうとも取れます。

10. Bxc4 Nbd7 11. d4!


一時的に黒マスのダイアゴナルを閉じてしまいますが、c7-c5e6-e5 のブレイクを警戒し、ポーンを伸ばしておきます。どちらも仕掛けられないとなれば、黒は長期的にc7 のポーンがターゲットになるでしょう。

11... Qe7 12. O-O Rac8 13. Be2 c5



ここは難しい決断です。本譜のようにポーンを捌くのは、白にとって分が良いと私は考えていますが、13... Ne4 14. Qc2+/= のような流れでも、e4 に入ったナイトは負担にしかならないと青嶋くんは判断したようです。

14. dxc5 bxc5 15. b5! Nb6 16. a4


13手目でビショップを退いたのは、b6 にきたナイトからあらかじめ避けておき、心置きなくaポーンを伸ばせるようにするためでした。黒はすでにcファイルにパスポーンを作っていますが、この不安定な孤立のパスポーンよりも、白のクイーンサイドポーンマジョリティのほうが強力でしょう。

16... Rfd8 17. a5 Nbd5 18. Qe5 Nb4



ここも黒はどのように抵抗するか難しいところです。g7 のメイトがあり、f6 のナイトはすぐに動かすことができません。他の候補手はcポーンを伸ばすくらいですが、ターゲットになる可能性が高いため、少し動かしづらいと思います。18... c4 19. Ba3 Qe8!? 20. Rfc1 Qxb5 21. Qd4+/=

19. Rfd1 Be4 20. Ne1! Qb7?


丁寧にd3 のマスを守り、反撃に出ようとしたところで意外すぎる手がきて戸惑いました。白はg2 もきっちりと守っているため、クイーンが動く手はc5 をタダで落とすだけです。

21. Qxc5!?



ここは先にルーク交換をしておくほうが正確でした。少し不安に感じていたルークの侵入は、逆にルークをトラップできまし、そうでなくともピースを多くとることができます。21. Rxd8+! Rxd8 22. Qxc5 Rd2 23. a6! (23. Qxb4 Rxe2 24. Bxf6 gxf6 25. Kf1!+-) 23... Qb8 24. Qxb4 Rxe2 25. Bxf6 gxf6 26. Qxe4+-

21... Nd3!


21... Nbd5 しか読んでいなかったため、これは驚きました。しかし、白は駒を返すことなく上手く捌くことができます。

22. Nxd3! Bxd3


22... Rxc5 23. Nxc5 Qa8 24. b6+- 白はクイーンを取らせてしまっても、ダブルビショップ+ルークを持ち、クイーンサイドでパスポーンを作って勝ちとなります。

23. Qg5!?



私はf6, g7 への攻撃を利用してクイーンを逃がすのが自然だと感じましたが、ここでもクイーンを捨てる変化がありました。23. Rxd3! Rxd3 24. Qxc8+! Qxc8 25. Bxd3+- このパターンは完全に読み落としです。

23... Rd5 24. Bf3


ここでは黒マスビショップの力を強めるか、エクスチェンジアップに切り替えるか、白はどちらもありえます。24. Qg3!? Bxe2 25. Bxf6 g6 26. Rxd5 Qxd5 27. Qf4 Qc5 28. f3 Bxb5 29. Bd4+/- これは異色ビショップでも、黒はキングが危険なために白が大きく有利です。

24... Qxb5 25. Bxd5 Qxb2 26. Bf3



26. Bb7! h6 27. Qg3 Qxb7 28. Rxd3+/- こうしておけば、黒の本譜の反撃はなく、白は駒得をいかしやすいポジションでした。

26... h6 27. Qh4 e5!


この手はエクスチェンジアップする前から読んではいましたが、いざ指されてみるとクイーンの行き場が抑え込まれてしまい、どのようにポジションを改善するか少し難しくなります。e5-e4 まで押し込まれてしまうのは嫌なので、ポーンを捨てるつもりでこれを防ぐことにします。

28. e4 Rc4 29. Qh3! Qc2?



ここは29... Rc7 としてじっと耐えるしかありません。e4 を取りにいけば、白はクイーンやルークがアクティブになり、すぐに勝つことができます。

30. Qf5 Nxe4 31. Bxe4 Rxe4 32. Qd7+-


これでa7 とd3 を当て、勝負ありです。上手く指せばもう少し白クイーンの働きを封じ込められるはずでしたが、青嶋くんは残り時間がほとんどなく、間違えてしまいました。

32... Bc4 33. Qxa7 Qe2 34. h3 1-0



バックランクさえ気を付けておけば、後は白はaポーンを進めるだけです。黒には反撃のプランがなく、青嶋くんはここで潔くリザインしました。

私はこの最終戦の結果で、FIDE レイティングを+3 とし、ベストレイティングの2404 になって来月のマン島のトーナメントに臨むことになります。5R 終了時点のライブレイティングはもっと高く、さらに上にいくことを狙っていたのですが、今回は馬場さんが強すぎたため、仕方がないですね。それでもジャパンリーグは3年連続でIM として安定した戦績を残しており、ひとまずは満足しています。来年こそ、GM や他の日本のプレーヤーを抑えて優勝できるように頑張ります!


表彰式後はGM Xu Yinglun による同時対局が行われました。13面指して日本側は2勝1ドローという結果です。Xu Yinglun は毎日試合後にレクチャー、そして最終日の同時対局と、大会中大忙しだったと思います。またどこかの大会で再会できることを楽しみにしています。

最後になりますが、海外のアービターともやり取りをしながら、ジャパンリーグの運営に尽力してくださったゆみさん、そして他のナショナルアービターの皆さん、大会前から長い間、お疲れ様でした! 今後とも日本の大会を、よろしくお願い致します。

2017/08/13

Japan League 2017 Day3 Tournament Report


ジャパンリーグ3日目、いよいよ今大会も大詰めです。この日は指してみて、調べてみて、ショックなエンドゲームが続きました。


Kojima, S (IM, JPN, 2401) - Sano, T (JPN, 2087)
Japan League 2017(5)
Position After 38... Kf7

39. Kh2?!


試合中、勝ちにいくプランはcポーンを後ろから止めつつ、キングを上げるしかないと思っていました。しかし、これには黒のディフェンスがあるため、他の手を選ばなければいけません。39. Ra6! c4 40. Kh2 Rd3 41. Kg3 Ke7 42. Rc6 (42. Rxg6 Kd7 43. h5 c3 44. Rg7+ Kd6 45. Rg8 Kc7 46. h6 Rd7 47. Rg7 c2 48. Rxd7+ Kxd7 49. h7 c1=Q 50. h8=Q Qf4+ 51. Kh3 Qf7 52. Qxe5 Qxa2 これは2ポーンアップでも、黒のパスポーンが早く、白は勝てなさそうです。) 42... Rd2 43. Rxc4 Kd6 44. Rc8 Rxa2 45. Rc3 Kd7 46. Kh3 Kd6 47. g3 Ra1 48. Kg4 a2 49. Rc2 Ke7+/- これであれば、次に示す変化と違い、白がルークの横利きで黒のパスポーンをアタックしているため、チャンスがありそうです。

39... Rc2 40. Kh3 c4 41. g3 c3??



a2 を取る変化は私も読んでいたつもりでしたが、黒の重要なアイディアが抜けていました。41... Rxa2! 42. Rxc4 Rd2 43. Ra4 a2 44. Kg4 Rg2! この手がポイントで、白はこれ以上キングを上げることができません。45. Ra6 Kg7 46. f4 exf4 47. Kxf4 Rb2 48. g4 Kf7 49. Kg5 Rh2 50. Ra7+ Ke6 51. Kxg6 Rxh4 52. g5 Rh2 53. Kg7 Ke5 54. Ra4 Ke6 55. g6 Rg2 56. Kh7 Rb2 57. g7 Rh2+ 58. Kg8 Rf2 この変化はおそらくドローでしょう。

42. Kg4!+-


こうしてパスポーンを後ろからルークでアタックしたまま、白キングが上がっていければ白の勝ちです。黒はgポーンを守ることができません。

42... Rc1 43. Kg5 c2 44. g4 Kg7 45. Rxg6+ Kf7 46. Rc6 Ke7 47. h5 Kd7 48. Rc3 1-0



この白星で馬場さんと並び、4.5/5 となりました。ドローだった2人のXu に0.5P 差をつけ、馬場さんとの直接対決を迎えます。


Baba, M (CM, JPN, 2262) - Kojima, S (IM, JPN, 2401)
Japan League 2017 (6)
Position After 39. Kf2

ずっと押されていたこのゲーム、時間が増える直前でようやくイコアライズのチャンスがきました。しかし時間切迫により、それを見落としてしまいます。

39... Bd3?!


39... g6! 40. hxg6 hxg6 41. f6 Rb7 42. Ke1 (42. Re7 Rxe7 43. Bxe7 Qh7=) 42... a3! 43. bxa3 Rb1+ 44. Kd2 Rb2+ 45. Ke1 Rb1+ 46. Kf2 Rb2+ 47. Ke3 Rb3+= 白キングはgファイルに逃げることはできないため、ルークのチェックを切ることができずにドローです。

40. Ke3 Be4 41. Kf4 Bc2?


残り数秒だった39手目と違い、この時点では30分が追加されています。なぜ10分、20分使っても、g7-g6 のアイディアをもっと考えなかったのか、とても悔やんでいます。41... g6 42. hxg6 hxg6 43. Qxg6+ Qxg6 44. fxg6 Bxg6 45. Kg5 Bd3+/= 白はキングの位置が良いですが、これならば黒は何とかなりそうです。

42. Re6!+-



パッシブなディフェンスをしすぎたため、これで完全に押し込まれて負けです。次にh5-h6, Re6-Rf6 のアイディアを止めることができません。

42... Bd1 43. h6 Bh5 44. hxg7 Qxg7 45. Be5 Qxg5+ 46. Kxg5 Be2 47. Rxc6 Kf7 48. Rh6 Ke8 49. c6 Re7 50. Bd6 Rg7+ 51. Kf6 Rf7+ 52. Ke5 Bc4 53. Re6+ Kd8 54. c7+ Kd7 55. Re8 1-0


この悔しい負けで一歩後退。3位グループで明日の最終戦を迎えます。最終戦のペアリングは以下のようになっています。

GM Xu Yinglun - CM 馬場
IM 小島 - 青嶋
IM Xu Yi - 中村


4/6 グループ以下のペアリングは、こちらから確認できます。それでは皆さん、最終日もよろしくお願い致します!


負け棋士の晩餐...

2017/08/12

Japan League 2017 Day2 Tournament Report


ジャパンリーグ2日目の3R は中村くんに黒をもっての勝負です。Slav かEnglish かという予想でしたが、そのミックスになりました。

Nakamura, N (JPN, 2098) - Kojima, S (IM, JPN, 2401)
Japan League 2017 (3)

1. c4 c6 2. Nf3 d5 3. e3 Nf6 4. Nc3 a6 5. b3 Bg4 6. h3 Bxf3 7. Qxf3 e6 8. g4!?



こうしたポジションではときどき見られる、アグレッシブなアイディアです。私はSemi-Slav でg2-g4 と突くラインを応用して、ビショップナイト交換から、e4 のマスにナイトを跳び込ませる構想で勝負することにします。

8... Bb4 9. Bb2 O-O 10. O-O-O?!


この手は判断が早く、黒に狙いを定めさせてしまうのではないかと思いました。黒はクイーンサイドを開いてチャンスを作ります。

10... b5 11. cxd5 cxd5 12. Kb1 Nc6 13. g5 Bxc3 14. dxc3



試合中はポーンで取る手を変だと感じましたが、14. Bxc3? Ne4 15. Bb2 Qa5! 16. Qe2 Rfc8-/+ といった変化があり、これでも黒が大きく優勢です。

14... Ne4 15. Bd3?


中村くんは長考の末、この悪手を選んでしまいました。g5 を捨てるのは仕方がありませんが、ダブルビショップも諦めてしまえば、白には面白いところが完全になくなってしまいます。15. Qg2!? Qxg5 16. Qxg5 Nxg5-/+

15... Ne5! 16. Qg2 Nxd3 17. Rxd3 Qxg5 18. Qxg5 Nxg5



これでクイーンも交換し、黒は危ないところなく1ポーンアップになりました。あとはこのエンドゲームを丁寧に指して勝ちを目指します。

19. Rg1 Nf3


ここは19... f6 と指し、g5 にナイトをキープしたほうが良かったかもしれません。f2-f4-f5 を気にしましたが、e4 のマスを弱めてまでやるべきアイディアではありませんでした。

20. Rg3 Ne5 21. c4!



この手はできないだろうと思っての20... Ne5 でしたが、実際はできます。黒はルークを取りたくなりますが、取ればパペチュアルチェックでドローです。

21... f6


21... Nxd3? 22. Rxg7+ Kh8 23. Bf6! h5 24. Rxf7+ Kg8 25. Rg7+=

22. Bxe5 fxe5


本譜でも悪くなりませんが、ここは先にポーンを交換しておく手もありました。22... bxc4!? 23. bxc4 fxe5 24. cxd5 exd5 25. Rd2 Rf5-/+

23. cxd5 exd5 24. Rxd5 Rxf2-/+



これでようやく形勢が分かりやすくなりました。黒はe5 のポーンまで落としても、先に7段目を抑えている分、大きなチャンスがあります。本譜では、7、8段目を抑えるメイトと、ルークの7段目ダブルを利用して黒は勝ちを狙います。

25. Rg5 Raf8 26. Rd7 g6 27. Rxe5 Rh2 28. Rd1 Rff2 29. Re7 Rb2+ 30. Ka1 Rxa2+ 31. Kb1 Rab2+ 32. Ka1 Rbd2!


a2 のポーンをかすめ取った後、ルークを1つ交換すれば勝ちのルークエンディングです。

33. Rxd2 Rxd2 34. Re6 Re2



ここは34... Rh2 から2コネクテッドパスポーンを早めに作ったほうが、黒にとっては分かりやすいルークエンディングだったかもしれません。

35. h4 Kf7 36. Rxa6 Rxe3 37. h5 Rxb3 38. Ra7+ Kg8 39. h6 Rh3 40. Ra8+ Kf7 41. Ra7+ Kf6 42. Rxh7 Kg5-+


これであとはgポーンを進めるだけです。ルセナポジションになるのは時間の問題です。

43. Rb7 Kxh6 44. Rxb5 Rc3 45. Rb1 g5 46. Kb2 Rc5 47. Rh1+ Kg6 48. Rg1 Kf5 49. Rf1+ Ke4 50. Rg1 Kf3 0-1



ルークを5段目に退いてc5 を守っておけば、フロンタルアタックに対してすぐにキングを上げることができます。白キングは遠くでカットオフされていますし、いずれルセナポジションになることは明らかなので、白はここでリザインしました。


昼休みは駅まで戻り、初めて蒲田の東急屋上、かまたえんに足を運んでみました。夜はビアガーデンになるようですが、昼間はもっぱら子供たち向けのアトラクションや、ショーが中心です。この日は発泡スチロールから即興で絵を切り出す芸人、ハッポゥくんのショーが行われていました。私は知りませんでしたが、テレビにも出演する芸人さんのようです。写真は子供のリクエストに応じて、花火を切り出したところです。

Xu, Yinglun (GM, CHN, 2542) - Kojima, S (IM, JPN, 2401)
Japan League 2017 (4)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nf3 Nf6 4. e3 Bf5 5. Nc3 a6!?



午後のラウンドはGM Xu, Yinglun との対戦になりました。中村くんとの試合用に用意したSlav の新ラインを試してみます。5... a6 のアイディアは1手待つことで、よくあるNf3-Nh4 からのビショップナイト交換を避けることです。

6. Bd2 e6 7. Nh4 Bg4 8. Qb3 b5 9. cxd5 exd5!


これが調べてきたアイディアで、e6 のマスを空けることで白マスビショップを退けるようにします。c6 のポーンはターゲットとして残りそうですが、チャンスを見てc6-c5 と突くことで解消します。

10. Qc2 g6 11. h3 Be6 12. Bd3 Nbd7 13. Nf3 c5!



最初は黒マスビショップをg7 かd6 に展開するつもりでしたが、このタイミングで捌くほうがシンプルだと思いなおしました。d4 をアウトポストに、d5 を孤立ポーンにしてしまいますが、ピースのアクティビティーで十分にバランスはとれています。

14. dxc5 Nxc5 15. a3 Rc8 16. Nd4 Bg7 17. O-O 1/2-1/2


この試合は早めにオファーされてドロー。私としては、黒2回連続のこの日、負けずに乗り切れたので満足です。明日は白2回がくることを願っています!

他のトップ勢はXu Yinglun が青嶋くんに勝ち、私にドローで3.5、Xu Yi がAlex 勝ち、馬場さんドローで3.5、馬場さんがFarfurnik 勝ち、Xu Yi ドローで3.5、佐野さんが南條くん勝ち、山田くんドローで3.5 となっています。3.5/4 が依然として5人並ぶ膠着状態から、誰が一歩抜け出すか、明日の2試合はさらに重要になってきます。

IM Xu Yi - GM Xu Yinglun
IM 小島 - 佐野
IM 南條 - CM 馬場


明日の上位ボードはこのような当たりです。他のペアリングは、こちらから確認ができます。南條くん、青嶋くんらも3/4 で後を追ってきていますので、3.5P グループもまだまだ安泰ではありません。

2017/08/11

Japan League 2017 Day1 Tournament Report

今日から4日間、夏のビッグトーナメント、ジャパンリーグが開催されています。2年前から中国のGM が参加するようになったジャパンリーグですが、今年もGM 1人、IM 1人が招かれています。2600台のGM が2人参加した昨年と比べれば、今年は日本勢にもチャンスはあるでしょう。

Fukuda, T (JPN, 1842) - Kojima, S (IM, JPN, 2401)
Japan League 2017 (1)

1. e4 c6 2. d3 d5 3. Nd2 e5 4. Ngf3 Bd6 5. g3 Nf6 6. Bg2 O-O 7. O-O Re8 8. Re1 Bg4!?



5年前の全日本選手権では、8... Nbd7 と指しましたが、ハンガリーのGM Prohaszka のゲームを見ていて、ビショップを先に出しても良いのではないかと考えました。

9. h3 Bh5 10. g4 Bg6 11. exd5 cxd5 12. Nh4 Nc6


白はg3-g4 を仕掛けてビショップナイトの交換を仕掛けますが、将来的にはf4 のマスが弱くなり、黒がそこを利用しやすくなります。

13. Nxg6 hxg6 14. Nf1 Rc8 15. c3 Rc7 16. Bg5 Be7! 17. a3 Nh7 18. Bd2 Bg5!



この一連の流れは私の得意なプランです。黒マスビショップを交換しておけば、黒はf4 のマスを活用しやすくなりますし、ダブルビショップを持たせたことも気になりません。

19. Qb3 Bxd2 20. Nxd2 Rd7 21. Nf3 g5 22. Rad1 Nf8 23. c4 d4


Benoni Defence のポーンストラクチャーになりましたが、f4 にナイトが跳び込めれば黒は白キングを脅かすことができ、有利に試合を運ぶことができます。白はe4 のマスをクイーンサイドのポーンマジョリティだけでは、キングサイドの弱さを十分には補えないでしょう。

24. Nd2 Ng6 25. Be4 Nf4 26. Kh2 Qf6 27. Nf3 g6 28. Kg3 Kg7



f5 のマスを抑えつつ、ゆっくりとhファイルを抑えてh3 のポーンをアタックします。この後、b7 のポーンを捨てても良いのかは自信がなかったため、これを取られないようにしつつ、hファイルでの決め手を探ります。

29. Qc2 Nd8 30. Rh1 Rh8 31. b4 Nde6 32. Rde1 Rh7 33. Rh2 b6 34. Reh1 Rd8 35. h4


こうして白からポーンを突けば、弱点を解消してなんとかなりそうにも見えます。しかし、まだまだf4 に刺さったナイトは強力で、キングへのアタックチャンスを作り出します。

35... gxh4+ 36. Rxh4 Rxh4 37. Rxh4 Ng5!



f3 のナイトを消し、h4 のルークを浮かせるのがポイントです。この先、少し見えづらいスレットが隠されています。

38. Nxg5 Qxg5 39. c5


39. f3 Qxh4+! 40. Kxh4 Rh8+ 41. Kg3 Rh3+ 42. Kf2 Rh2+-+ は、メイトを回避してもクイーンが落ちてしまいます。39. Rh1 f5! もg4 のポーンを取り、黒が勝てそうです。

39... Qxh4+! 40. Kxh4 Rh8+ 0-1



最後はクイーンを捨ててメイトです。2R は少しオープニングで間違えましたが、エンドゲームをしっかりと指して勝ち。初日を終えて連勝グループにいます。46人の参加者中、連勝は10名まで絞られています。明日からは上位勢で星の奪い合いですね。

青嶋 - GM Xu Yinglun
IM Xu Yi - CM Averbukh
中村 - IM 小島
IM 南條 - 佐野
Arkenette - 馬場


明日の3R のペアリングは以上のように発表されています。下位ボードまでのペアリングは、こちらから確認できます。それでは皆さん、2日目もよろしくお願い致します。


試合後にレクチャーを行うGM Xu Yinglun。2試合をこなしてからレクチャーをするスケジュールは、かなりタフに思えます。

2017/08/09

Japan Women Chess Championship 2017 Tournament Report


今年の女子選手権入賞者たち

先週末、8/5,6 に全日本女子選手権が開催されました。2日間で6R の日程を終え、今年の上位勢は以下のように決まりました。上位5人までが、来年ジョージアのバツミで開催されるチェスオリンピアードに、日本の女子代表として参加権利を持ちます。

1st Place Hoshino, K 5.5/6 (Hoshino, M 1/2)
2nd-5th Place Sakai, A 4/6 (Hoshino, K Hoshino, M 0)
Fukuda, N 4/6 (Hoshino, K Sakai 0)
Shibata, M 4/6 (Fukuda, Misawa 0)
Kojima, N 4/6 (Hoshino, K 0, Linda, Ishii 1/2)


新しい女子チャンピオンに輝いたのは、妹の美怜とのドローのみで、他の5試合をきっちりと勝ち切った華怜でした。どのゲームも安定した指しまわしだったと思います。2位から5位までは4P で、オリンピアードの代表に入ったことのあるメンバー4人が並びました。代表枠の基準になりそうだった4P を目指し、皆さん熱い戦いを見せてくれました。入賞した皆さん、おめでとうございます!

私個人としては、妻のなつみも4P に到達し、来年のオリンピアードに一緒に参加する権利を獲得できて一安心です。6位以下も含めた最終順位は、以下のリンクから確認ができますので、よろしければご覧ください。

女子選手権2017 最終順位

ところで今回の大会では、ジャパンリーグでも採用される予定の新しいタイブレークが使用され、同ポイントのプレーヤーの順位が決められました。しかし、この新しいタイブレークは少しわかりづらく、最終順位を聞いても不思議に感じました。大会後、ジャパンリーグでアービターを務めるゆみさんと連絡を取って、このタイブレークの内容確認ができたため、システムをあらためて説明しようと思います。


Photo from Okabe

女子選手権のタイブレークはこのようなものでした。日本の大会でこれまで見かけなかったのは、タイブレーク1 の直接対決です。(表では1 が得点となっていますが、得点の高いプレーヤーが上の順位なのは当たり前なので、ここでは直接対決をタイブレーク1 として説明します。) これは同じポイントで並んだプレーヤーは、そのポイントのプレーヤー同士の対戦で、何ポイント取れているかということだと説明されましたが、同じポイント同士のうち何人と当たっているかは運にもよるため、これをタイブレーク1 に持ってくるのは不自然だと大会中は考えていました。しかし、ゆみさんに確認を取ったところ、同じポイント同士のプレーヤーが全員当たっている場合のみ、このタイブレーク1 が適用されることが分かりました。これならば運に左右されることはないため、納得できます。

女子選手権では、4/6 グループは4人、3/6 グループは5人が並んでいますが、このグループ内のプレーヤー同士全員では試合をしてはいません。つまりどちらのグループも、直接対決のタイブレークは採用されていません。これが理解できるまで、ChessResults で発表されている3/6 グループの順位はおかしいと思っていました。もちろん、タイブレーク2 が勝利数になっているため、パフォーマンスやBuch が考慮されておらず、これまでの日本国内での大会とのタイブレークの違いに多少の違和感は残ります。それでも、事前に発表されたタイブレークに従って最終順位は決められるものですので、女子選手権の順位はこれで確定です。ジャパンリーグでは、試合前にまた詳しいタイブレークの説明があると思いますので、それを確認しつつ、新しいタイブレークシステムに日本のプレーヤーが少しずつでも慣れていけるようになると良いですね。

タイブレークの説明が長くなりすぎてしまいましたが、女子選手権に参加した皆さん、お疲れ様でした。今週からはジャパンリーグが続いて開催されるため、またそちらでもよろしくお願い致します。明後日からのジャパンリーグも、良いプレーができるように頑張りましょう!

2017/08/03

Weekly Chess Puzzle Vol.38


Kojima, S - Collins, S
Niigata 2009(4) Analysis
White to move


Kojima, S (FM, JPN, 2312) - Arsenault, N (CAN, 2153)
FSIM March 2010(2) Analysis
White to move

新潟の話題を1つ前の記事で出したので、懐かしいゲームを引っ張ってきました。この年の新潟は、私と上杉くんがSam をストップできず、全勝優勝を許してしまったのでした。このポジションで手を見つけられていればと悔やまれます... 2つ目は最初のハンガリー、IM ノームチャレンジの大会から。本譜でもゆっくり勝ちましたが、白にはここで決め手がありました。答えが分かった方は、いつも通りコメント欄にどうぞ。

2017/08/01

Chess Event Schedule in August 2017


2015年のJapan League でGM Zao Xue と対戦

8月に入り、久々の更新です。7月はジュニア、小学生、シニア選手権で生徒の試合観戦に追われていた私ですが、8月は自分の試合ががっつりと入ります。予定しているのは2つのイベントで、どちらもGM との対戦が予想されます。

8/11~14 Japan League


今年もお盆の時期にジャパンリーグが開催されます。JCA のHP では、気付かぬうちに今年のゲストがXu Yinglun (GM, CHN, 2528) とIM Xu Yi (IM, CHN, 2438) の2人だと発表されています。Zhou Jianchao とLu Shanglei の2600GM が2人参加した昨年と比べると、多少ゲストのレベルは落ちるため、日本のプレーヤーもポイントを取り、入賞できる可能性が高くなりそうです。Xu Yinglun とは初めて顔を合わせますが、Xu Yi は私が5年前にハンガリーで対戦し、ノームを取らせてしまった相手です。この5年間で、さらに強くなっているでしょう。5年ぶりの再会と再戦を楽しみにしています。

8/19 国際親善チェス大会 in Niigata


ジャパンリーグが終わったその週末、今度は新潟にも足を運びます。今年もA~Dクラスとは別に、中国からのゲスト4名と日本代表4名による日中交流戦が行われます。私も3年ぶりにそのメンバーに入りましたので、ジャパンリーグに続いてマスターとの試合を頑張ってきます。A~Dクラスについては、まだ参加者を募集していると思いますので、興味のある方は新潟チェスクラブのHP をチェックしてみてください。

それでは皆さん、今月もよろしくお願い致します。また蒲田と新潟でお会いしましょう!

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